2019.11.15

得点力不足に苦しむマジックがスパーズのデマー・デローザン獲得に強い関心あり?

スパーズの得点源として活躍するデローザン[写真]=Getty Images
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壊滅的な3Pは要改善も、デローザンの得意分野ではないため獲得は微妙か

 昨季2012年以来初となるプレーオフ出場を果たしたオーランド・マジックは、さらなる高みを見据えて今季を迎えたものの、ここまでは期待はずれな成績になっている。

 開幕から7試合連続で100得点未満に終わり、2勝5敗とスタートダッシュに失敗。6戦目から先発ポイントガードをDJ・オーガスティンからマーケル・フルツへ切り替え、直近4試合はいずれも100得点以上を挙げており、2勝2敗と持ち直してはいるものの、ここまでイースタン・カンファレンス7位の4勝7敗。

 就任2シーズン目のスティーブ・クリフォードHC(ヘッドコーチ)の下、ディフェンシブ・レーティング(100回のポゼッションにおける失点)はリーグ4位の101.4と優秀ながら、オフェンシブ・レーティング(同得点)はリーグワースト2位の101.7。

得点とリバウンドでマジックをけん引するブーチェビッチだが、昨季から得点はダウン[写真]=Getty Images

 特に深刻なのは3ポイントで、成功率はリーグワーストの28.5パーセント。試投数(平均30.9本)はリーグ19位ながら、成功数(平均8.8本)はリーグワースト3位と決め切れていない。昨季はいずれもリーグ中位にランクインしていたこともあり、勝利に必要な得点を挙げ切れていないというのが現状だ。

 そんな中、リーグの情報筋が現地メディア『The Ringer』のケビン・オコナー記者へ伝えたところによると、マジックは得点力不足を解消すべく、デマー・デローザンサンアントニオ・スパーズ)の獲得に強い関心を示しているという。

 デローザンはキャリア11年目のシューティングガードで、オールスター選出4度、オールNBAチーム選出2度を誇る30歳のベテラン。今季も含めて7シーズン連続で平均20得点以上を挙げているスコアラー。

 マジック不振の要因となっている3ポイントに限って言えば、デローザンは今季11試合で4本しか放っておらず、1本も成功させていない。だがリーグトップクラスの回数を記録するドライブは貴重で、ミドルレンジから高得点をたたき出す得点力、そしてスパーズ加入後も成長しているキックアウトを期待されているのかもしれない。

 デローザンの今季年俸は約2,774万ドル(約29億9600万円)と超高額ながら、今季終了後にプレーヤーオプションを破棄すれば制限なしフリーエージェント(FA)になることができる権利を持つ。スパーズとの契約延長に関しては平行線のままと『The Athletic』が報じており、この話が決裂となれば、スパーズが今季途中にデローザンの見返りを求めてトレードする可能性もゼロではないという。

 ただ、ディフェンスを重要視するマジックとクリフォードHCにとって、ディフェンスを得意分野としないデローザンが魅力的に映っているのかは微妙。高額年俸だけに、トレードするとなれば、有能な若手選手を手放す覚悟も必要なだけに、すんなりと両チームの思惑が一致するかどうかは疑わしい。

 NBAではトレードが付き物で、ビジネスと割り切っている選手も多いのだが、マジックがトレードでデローザン獲得を実行に移すには大きなリスクが伴う。まずは今後の戦いぶりに注目していきたい。

ドライブを最大の武器とするデローザン(左)の移籍は起こるのか?[写真]=Getty Images

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