2020.01.14
NBAでも屈指の実力を誇るサンアントニオ・スパーズは、1997-98シーズンから昨季の2018-19シーズンまで実に22年連続でプレーオフに進出している。これは1950年から1971年まで続いたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(移転前の名前はシラキューズ・ナショナルズ)のNBA歴代1位に並ぶ記録だ。1996年からチームを率いる名将グレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)を中心に、5回のリーグ制覇を達成し、NBAを代表する強豪と評されてきた。
だがどんなに隆盛を誇ろうと、どのチームにも衰退に差し掛かる時期は必ずやってくる。そしてそれは長年高い安定感とともにリーグに君臨し、もはや低迷の予期を感じること自体が難しかったスパーズも例外ではないのだろう。12月10日(現地時間9日)の時点で、9勝14敗と負け越しており、ウェスタン・カンファレンスの11位。2014年からチームのアシスタントコーチとして戦術の要を担当していたエットレ・メッシーナ氏は、母国イタリアのオリンピア・ミラノのHC兼バスケットボール運営部代表に就任するために昨季限りで退団した。それでもチームは体制を整えようと、スパーズ一筋でポポビッチHCの下でプレーしたティム・ダンカンをアシスタントコーチとして招へいした。
「どんなに目の前が厳しいものでも、頭を抱えることはできない」と、『San Antonio Express-News』をとおしてチームの現状を語るのはデマー・デローザン。持ち前のミドルレンジからのプルアップジャンパーやポストプレーなどで得点を量産し、今季は平均21.4得点を記録しているスコアラーだ。チームの成績不振、また今季終了後にデローザンはプレーヤーオプションを保持しているため、トレードや再契約など去就の噂などが絶えないが、「僕はリーグにやってきて11年目になる。これまでいい時も悪い時も経験してきた。物事がうまくいかない時でも、戦わなければならない」と意思を強く持ち続けている。
このような苦しい状況でこそ、デローザンの言うように継続して戦い続ける姿勢が必要になってくる。だがポポビッチHCも現在70歳と高齢であり、以前から引退の可能性があるのも事実。ダンカンやトニー・パーカー(元スパーズほか)、マヌ・ジノビリ(元スパーズ)の黄金期を支えた“ビッグ3”の退団、優秀なスタッフの流出と、スパーズは年々その規模を収縮している。今季はまだプレーオフ進出の可能性は残されているが、さらにチームはターニングポイントを迎えていきそうだ。
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