2020.01.25
12月9日(現地時間8日)に行われたサクラメント・キングス戦で、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチは27得点7リバウンド8アシストというオールラウンドな成績を残した。試合には106-110で敗れたものの、19試合連続で20得点5リバウンド5アシスト以上を達成。
これにより、スロベニア出身の20歳はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/18試合連続)の記録を破り、NBAとABAが統合した1976-77シーズン以降では史上最長記録をたたき出した。
キャリア2年目のドンチッチが残したこの記録は、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)やレブロン・ジェームズ(レイカーズ)、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、ジェームズ・ハーデンやラッセル・ウェストブルック(共にヒューストン・ロケッツ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)といったスーパースターでさえ成し遂げていない金字塔と言っても過言ではない。
そのため、世界中のメディアが報道したことは言うまでもない。今季平均30.0得点9.8リバウンド9.2アシストという平均トリプルダブル級の成績を残していることもあり、ドンチッチを“史上最高の20歳”と評するメディアもある。
だが、ドンチッチ自身はいたって冷静に現状を受け止めていた。9日(同8日)に「あまりにも多くのスタッツが出回ってるね。いくらなんでも、ちょっとスタッツ面が強調されすぎてると思う。マイケル・ジョーダンと比較することなんて、誰であろうとできないよ。彼はそういう選手なんだ。(僕の記録は)あくまでスタッツにすぎないよ」と記者たちへ自身の見解を口にした。
ドンチッチが言うように、ジョーダンはあまりにも偉大な存在なのは間違いない。ブルズで手にした6度の優勝と史上最多となる6度のファイナルMVPに加えて、シーズンMVPには5度、最優秀守備選手賞にも輝くなど、とてつもない実績を誇る世界的なスーパースターだからだ。
“史上最高”を意味する“Greatest Of All Time(G.O.A.T.)”として真っ先に名前が挙がるジョーダンは、20歳のドンチッチにとってあまりにも遠い。
そもそも、ジョーダンが1998年のNBAファイナル第6戦で伝説として語り継がれる“The Last Shot”を沈めた時、ドンチッチはまだ生まれてもいなかった。現代であれば、YouTubeなどの映像で当時のプレーを見ることはできるだろう。実際に、ユーロリーグでジョーダンのようなプレーを見せたこともあっただけに、ジョーダンのハイライト集を夢中で見ていた可能性は十分ある。
それでも、ブルズで6度の優勝を成し遂げたジョーダンをリアルタイムで見ていないこと、ジョーダンの現役時がディフェンス全盛で現代はよりオフェンシブになっていることからも、ドンチッチをジョーダンと単純比較するのは難しい。
とはいえ、NBAではほぼ毎日、新たな記録や珍記録が生まれ、SNSを通じて世界中に拡散されているため、ジョーダンが絡んだ記録や史上最年少あるいは史上最短といった記録をドンチッチが残せば、今後もその情報が大きく注目されるに違いない。
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