2020.05.18

元キングスの選手たちが明かした、マイケル・ジョーダンをガードする難しさとは?

歴代最高となるキャリア平均30.1得点を保持するジョーダン[写真]=Getty Images
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元オールスターのリッチモンド、オールディフェンシブチーム4度選出のクリスティがジョーダンへのディフェンスを振り返る

 5月16日(現地時間15日)。『NBA.com』の中に、かつてサクラメント・キングスに所属した2選手によるマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)へのディフェンスが記載されていた。

 これは同日行われた『The Purple Talk』というポッドキャストで、ミッチ・リッチモンドダグ・クリスティ(共に元キングスほか)というシューティングガードが明かしたもので、両選手の苦悩が見て取れるものだった。

 リッチモンドはあのジョーダンも認めた男の1人で、リーグ有数のシューティングガードと太鼓判を押したスコアラー。“ザ・ロック”という異名のとおり、196センチ97キロという屈強な肉体を誇るリッチモンドは、オールディフェンシブチームに選ばれたことはないものの、地に足の着いた堅実なディフェンスでマッチアップ相手を苦しめてきた。

1990年代序盤から中盤にかけて、キングスのエースを務めたリッチモンド[写真]=Getty Images

 通算6度のオールスター選出、5度のオールNBAチーム選出に加えて1996年にはアトランタオリンピックでアメリカ代表の一員として金メダルも獲得した元リーグ有数のシューティングガードは言う。

「彼はとてつもない才能を持っていた。もしディフェンス面でしっかりプレーできなければ、目の前で60得点してしまうような選手だったんだ。彼に対してハードかつアグレッシブにディフェンスをして、困らせることができたら、30得点に済むかもしれない。でも彼を止めるなんて相当難しいことだったよ。私はただ、フィジカルに向かっていくことを心掛けたんだ」。

 リッチモンドは2001-02シーズンをもって現役を引退。最後のシーズンにロサンゼルス・レイカーズでシャキール・オニール(元レイカーズほか)、コービー・ブライアント(元レイカーズ)と共に優勝したものの、その頃はロールプレーヤーとなっており、ほとんど出番は与えられなかった。

 そのため、リッチモンドはブルズ時代のジョーダンとマッチアップしてきたことになる。ブルズ時代のジョーダンが残した平均得点は31.5。30得点に済めば、平均以下に抑えたことになるだけに、合格点を与えられる数字だったと言っていいのかもしれない。

2000年代序盤から中盤にかけて、クリスティはストッパーとして活躍[写真]=Getty Images

 一方のクリスティは、2000年に入ってからキングスへと移籍して約5シーズン所属。それまではレイカーズやトロント・ラプターズなどでプレーしており、ブルズ時代とワシントン・ウィザーズ時代の両方のジョーダンとマッチアップしてきた。

 パスカットから奪うスティールを得意としていたクリスティは、キャリア全体でオールディフェンシブチームに4度選ばれた実績を持つ。198センチ90キロのスイングマンは、コービーやトレイシー・マグレディ(元オーランド・マジックほか)、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)といったスコアラーたちともマッチアップしてきたが、ジョーダンへのディフェンスは別格だったようだ。

「私は彼を得意なスポットから遠ざけて、なるべくジャンパーを打たせるようにしていたんだ。でも結局のところ、何をやろうとダメだったね。もし彼が跳んだり、リング近くまでたどり着いてしまえばお手上げだった。あとはもう彼が得点するか、私たちからファウルされるかのどちらかだったね」。

 キングスがプレーオフでジョーダンが所属するブルズあるいはウィザーズと対戦することはなかったため、両選手が対戦したのはあくまでレギュラーシーズンのもの。だがそれでもジョーダンの偉大さは顕著であり、これまで数多くのディフェンダーたちに悪夢を見せてきたのだろう。

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