2020.09.16
2019-20シーズンのルーキーは、近年稀に見る豊作だった。ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)やジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)は、下馬評どおり、スター街道を順調に歩んでいる。また、3位以下にも指名順位に恥じない選手が多く、とても下位指名とは思えない上々のスタッツを残したプレーヤーも少なくない。
ルーキーのフィールドゴール成功率記録を更新したブランドン・クラーク(グリズリーズ)は好例であるが、マイアミ・ヒートも当たりくじを2枚引くことに成功。ケンタッキー大学から全体13位で入団したタイラー・ヒーロー(ヒート)は、バブル(ディズニーリゾート内の隔離エリア)の7試合で、平均17.4得点、5.1リバウンド、3.9アシスト、フィールドゴール成功率53パーセントをマーク。また、ドラフト外から入団となったケンドリック・ナン(ヒート)も、平均15.2得点、2.7リバウンド、3.3アシストを残し、新人王の最終3名に名を連ねた。
マイアミの地元紙『Miami Herald』は、ヒーローとナンの活躍を受け、「もし、NBAドラフト2019をやり直すとしたら」という切り口で、球団スカウトに電話アンケートを実施。レギュラーシーズンが終了した現段階で、ルーキーを実力順に再編した。
もちろん、日本のNBAファンたちが気になるのは、既出の選手と同じく、サプライズをもたらした八村塁(ワシントン・ウィザーズ)の評価だろう。リーグの目利きたちに、今季のプレーはどのように映ったのだろうか。
ヒアリングの結果、1位と2位はザイオン、モラントで順位に変動はなし。しかし、スカウトの数人は、彼らに続く3位指名にヒーローや八村の名前を挙げたという。また、別のスカウトは、ザイオン、モラント、RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)の次点で八村をコール。ディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)、コービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ)、ジャクソン・ヘイズ(ペリカンズ)など、ドラフト時に自身の指名順位を上回った有望株を抜き去り、全体3〜4位指名の評価を獲得した。
『Miami Herald』以外のサイトでも、八村の評価は高い。『NBA.com』が今年7月に公開した“Kia Rookie Ladder”で、八村は実質6位にノミネート。また、『CBS Sports』が発表したバブル参加選手限定のルーキーパワーランキングでも、日本の若武者は全体4位に格付けされており、オールルーキー入りは現実味を帯びている。
所属球団のヘッドコーチやゼネラルマネージャーからも「満足している」と今季の健闘を讃えられ、他球団の選手からも「最も過小評価をされているルーキーの1人」と言及されるなど、八村の評判は上昇の一途を辿る。
「色々と学びがあり、1年やってきたことが役立つはず」と、すでに来季を見つめる八村の未来は明るい。
文=Meiji
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