2020.08.24

ウォリアーズが2020年のドラフト2位指名権でトレードを目論むスター選手とは?

ウォリアーズが2位指名権とのトレードで狙うスター選手とは?[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 栄光から一転、王者ゴールデンステイト・ウォリアーズは、リーグ最下位の成績で2019-20シーズンをフィニッシュした。ステフィン・カリークレイ・トンプソンの二枚看板の穴は、ディアンジェロ・ラッセル(ミネソタ・ティンバーウルブスへ移籍)やアンドリュー・ウィギンズでは埋められず、今シーズンはタンクの1年として若手にチャンスを与え、底上げに終始した。

 しかし、ウォリアーズが2020-21シーズンの優勝候補であることに変わりはない。選手層の厚さや完成度は、未だにリーグトップクラスであることに疑いの余地はなく、スプラッシュ・ブラザーズにウィギンスを加えた攻撃陣は現状、止める術が見当たらない。

 それに加え、ウォリアーズはNBAドラフト2020の2位指名権を所有している。スターター陣のバックアッパーか、ドレイモンド・グリーンのパートナーか、選択肢は1位指名権を持つティンバーウルブスの動向次第だが、2位指名を受けたルーキーが来シーズン、ウォリアーズでプレーしているとは限らないようだ。

 一部報道で、ウォリアーズはこの上位指名をトレード材料にし、オールスター級の大物獲得を画策しているという。『ClutchPoints』は、返り咲きを狙う王朝が標的にしている3選手をリストアップした。

ブラッドリー・ビール

 八村塁擁するワシントン・ウィザーズのエースには、移籍の噂が絶えない。「火のない所に煙は立たぬ」のことわざのとおり、ビールとウィザーズの間には、未だ解消しないシコリがあるのだろうか。ダブルエースの一角、ジョン・ウォールとの不仲説も噂され、チームとして“先輩”を立てる方向に舵を切れば、ウィザーズはウォールを軸に若いチーム構成にシフト。その一方で、オールスターに5度選出されたリーグ屈指のスコアラーは、新天地で新たな一歩を踏み出す覚悟なのかもしれない。

 ウォリアーズは、ラッセルを手札に、ビールのトレードの可能性を模索した過去があると言われている。もし、その関心が継続していれば、今度はウィギンス+2位指名でウィザーズに再打診をするだろう。そして、トレードが成立した場合、ウォリアーズはカリー、トンプソン、ビールという3つの大砲を設置することが可能に。スプラッシュ・ブラザーズの三男誕生は、スティーブ・カーにとってこれ以上にない朗報となるだろう。

ジョエル・エンビード

 ウォリアーズは、バックコートに圧倒的な自信を持っている。そうなれば、インサイドの補強に踏み切るのは自然な流れだ。

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズの大黒柱、ジョエル・エンビードは、パートナーのベン・シモンズに対して「今後のキャリアでもずっと一緒にいたい」とコメント。一方のシモンズも「彼(エンビード)のスタイルをリスペクトしている」と語るが、彼らに優勝を狙えるケミストリーがあるかというと、疑問符が付く。また、プレーオフでもボストン・セルティックスにスイープで敗れ、近年のチームビルディングは当初思い描いていたとおりには進んでおらず、これにはエンビードも不満を抱えているだろう。そろそろ本格的なテコ入れの時期となれば、ウォリアーズにも付け入る隙はある。

 ウォリアーズにとって、確かな実力を兼ね備えたビッグマンの加入は、大幅なチーム力アップにつながる。また、それが外からも得点できるエンビードであれば、球団のスタイルとも相性は抜群のはずだ。

シクサーズの大黒柱、ジョエル・エンビード[写真]=Getty Images

ヤニス・アデトクンボ

 ミルウォーキー・バックスの最優先事項は、MVPとの契約延長だ。アデトクンボとバックスの契約は2021年までとなっており、バックスは今シーズン終了時のスーパーマックス契約締結に自信を見せている。しかし、選手はリーグ優勝を渇望しており、この目標が達成されなければ、チームを去り、優勝に最も近い球団へと籍を移すと騒がれている。

 ウォリアーズは、アデトクンボの移籍先として有力視されている球団のひとつだ。バックスは、契約延長が約束されなかった場合、FAでの放出は避けたいはず。しかし、ウィギンスと2020年の2位指名で天秤が釣り合うことはなく、ウォリアーズはティンバーウルブスの2021年1巡目指名権と自分たちの2022年1巡目指名権、そしてサラリーキャップの調整のために数選手をパッケージで譲渡するプランも考慮しているだろう。

 もし、アデトクンボを迎え入れることができれば、カリーの晩年までにスリーピートを達成することも夢ではない。それは同時に、ライバルたちを失意のどん底へと突き落とすことになる。

昨シーズンのMVP、ヤニス・アデトクンボ[写真]=Getty Images

文=Meiji

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