2022.05.17
昨季まで8年連続でプレーオフに出場しているポートランド・トレイルブレイザーズだが、今季はデイミアン・リラードが腹部の手術を受けてキャリア初の長期離脱となったこともあり、ウェスタン・カンファレンス下位に低迷していた。
するとこのチームは2月に入って複数のトレードを断行。約1週間でノーマン・パウエルとロバート・コビントン(ともに現ロサンゼルス・クリッパーズ)、CJ・マッカラム、ラリー・ナンスJr.(ともに現ニューオーリンズ・ペリカンズ)らを放出し、選手たちと共に複数のドラフト指名権を獲得。プレーイン・トーナメント出場圏外にいたブレイザーズは、このまま下位へ低迷していくかと思われた。
だが2月10日(現地時間9日、日付は以下同)のロサンゼルス・レイカーズ戦を皮切りに、13日のニューヨーク・ニックス戦、15日のミルウォーキー・バックス戦、そして17日のメンフィス・グリズリーズ戦にも勝利して今季2度目の4連勝をマーク。
25勝34敗へ持ち直したブレイザーズは、ウェスタン・カンファレンス10位のプレーイン・トーナメント出場圏内でオールスターブレイクを迎えた。
「なんだか皆は僕らのことを見落としている気がするね。このチームはハードにプレーしている。それは間違いない。確かに、ショットが決まっているのも助かっている。けど僕らは皆、正しいやり方でプレーできている。それが勝利を手にするチャンスを与えてくれるのさ。今夜はプレーオフのようなバスケットボールだったよ」。
リラードに次ぐ最古参となった在籍6シーズン目のユスフ・ヌルキッチはグリズリーズ戦後にそう語り、自信をのぞかせていた。
そのヌルキッチはここまで平均15.0得点11.1リバウンド2.8アシスト1.1スティール、スコアリングガードのアンファニー・サイモンズが同17.0得点3.9アシストを残しているほか、新加入選手たちが奮戦。ジョシュ・ハートは平均24.0得点5.0リバウンド4.3アシストにフィールドゴール成功率60.0パーセント、3ポイント成功率52.4パーセント(平均3.7本成功)、ジャスティス・ウィンズロウが同12.0得点7.3リバウンド3.3アシスト1.7スティールと新天地で好成績を収めている。
リラードの復帰時期がいつになるのか、あるいは今季中に戦列復帰するのかは現時点で明確ではないものの、ここに平均24.0得点7.3アシストを残すスコアリングガードが加われば、さらに戦力がアップすると言えるだろう。
では、そのリラードは今どんな思いなのか。18日に『COMPLEX』へ掲載された記事のなかで、リラードはこう話している。
「どんな時でも、誰だって好きなこと、大事にしていることがあると言う。でもそれがいつだって魅力的になるわけじゃない。それがいつ起こるかなんて誰にも分からないものさ。特に自分が長い間正しくやってきた時に限って起こるものなのさ。俺はこれまで正しい方法でやってきたし、スキップしたりもしていない。俺のプロセスというのは、毎年向上を続けてきたことなんだ。
俺は自分が信じることに対して忠実なんだ。ポートランドで暮らすのは大好きだし、トレイルブレイザーズでプレーすることも大好きなんだ。俺はそれを10年間やってきた。そこでこの球団が成功した一部になることができている。俺の心の中にあるのはそう、ここでチャンピオンシップを勝ち取ることなんだ。俺はそれを実現したい。だからこのゴール、プランがある限り、ここにいることをコミットしているのさ」。
新加入のジョー・イングルズはケガのため今季全休で、ヌルキッチやベン・マクレモアらと共に今季終了後に制限なしフリーエージェント(FA)となり、サイモンズも制限付きFAとなるため、来季もブレイザーズが既存戦力をキープすることは厳しいだろう。
それでも、ブレイザーズ一筋10シーズン目のリラードが、志半ばでポートランドを離れることはなさそうだ。
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