2022.02.21

アクロンで生まれたレブロンとカリーによる「完璧なエンディング」で幕を下ろした球宴

オハイオ州アクロンにある同じ病院で生まれたカリー(左)とレブロン(右)[写真]=Getty Images
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 2月21日(現地時間20日)にロケットモーゲージ・フィールドハウス(オハイオ州クリーブランド)で開催された「NBAオールスターゲーム2022」の選手登場シーンで、ゴールデンステイト・ウォリアーズステフィン・カリードレイモンド・グリーン(ケガのためプレーはせず)はブーイングを浴びていた。

 クリーブランド・キャバリアーズのファンにとって、ウォリアーズは2015年から18年にかけて、4年連続でNBAファイナルを戦った相手チームであり、16年を除いてシリーズに敗れて優勝を逃しているのだから仕方なかったのかもしれない。

 もっとも、今季序盤にレギュラーシーズン通算3ポイント成功数でNBA歴代1位へ浮上したカリーは、オールスターゲーム史上稀に見る超絶パフォーマンスを披露。キャッチ&シュートやサイドステップ、ステップバックにプルアップで次々と3ポイントを沈めていき、第3クォーターにはワンレッグ、さらにはロゴスリーを放ってリングを見ずに振り返るなど面白いように長距離砲が決まっていき、終わってみればオールスター史上最多記録となる16本を決め切り、ゲームハイの50得点をマーク。

 試合は「TEAMレブロン」のキャプテンを務めたレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が試合終盤に決勝弾となるフェイダウェイジャンパーを突き刺し、163-160でケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ/試合は欠場)がキャプテンを務めた「TEAMデュラント」を下し、現行フォーマットで負けなしの5連勝を飾った。

 カリーはこの試合で19年のデュラント以来、フランチャイズ史上5人目のオールスターMVPに輝いたほか、オールスターゲームの3ポイント成功数を通算47本として歴代1位へ浮上、第3クォーターには1つのクォーターにおける最多成功数(7本)も更新してみせた。

 75周年記念という節目を迎えた今季のオールスター本戦で、レブロンとカリーというオハイオ州アクロンにある同じ病院で生まれた世界規模の人気と知名度を誇るスーパースターの共演に、カリーは「完璧なエンディング」と試合後に振り返った。

「試合後に彼へ言ったんだ。これはもう完璧なエンディングだとね。あと2、3点取ることを狙っていた。でもデマー(デローザン/シカゴ・ブルズ)がビッグショットを決めたと思う。そして(レブロンが)ゲームウィナーを沈めたんだから」。

「これは完璧なエンディングだったね。確かに、僕はMVPを手にした。試合をとおしていいプレーができた。そして彼が決勝弾を放り込んだんだ。僕らのシリーズの歴史、アクロンで結ばれた男たちはもう本当に、これ以上ないくらいの形になったね」。

 カリーは17年にアンソニー・デイビス(現レイカーズ)が樹立した1試合最多得点記録の52得点には届かなかったものの、まるでビデオゲームのように3ポイントを放り込み、歴代最高の3ポイントシューターであることを世界中へ見せつけたと言っていいだろう。

 普段は相手チームの主力として激しいバトルを展開するレブロンとカリーが、チームメートとなって勝利を目指すことが年に1度のオールスターゲームという球宴の醍醐味でもある。

 自身初のオールスターMVPを獲得したことで、25日から幕を開けるレギュラーシーズン後半戦でもカリーのスコアリングショーから目が離せない。

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