2022.02.23

レブロンとレイカーズの関係が悪化? 原因はフロントの消極的な補強策か??

球団との関係が悪化? レブロンのオールスターでの発言もそれを示す一例だったのかもしれない [写真]=Getty Images

 お世辞にも、現在のロサンゼルス・レイカーズのチーム状況が良好とは言えない。ビッグ3の一角を形成するアンソニー・デイビスが復帰したにもかかわらず、直近10試合の成績は3勝7敗と負け越し。ロスターからはプレーオフへストレートインする気概を感じず、下からの突き上げがあれば、プレーインへの出場にすら黄色信号が灯るだろう。

 これまでレイカーズ不調の原因については、さまざまな可能性が言及されてきた。しかし、一度冷静になりチームを俯瞰してみると、そこにレブロン・ジェームズという絶対的存在が絡んでいない可能性はいささか考えづらい。彼はそのキャリアを通して幾度となく、所属球団をNBAファイナルへと導いてきた。今季の個人スタッツはとても37歳のプレーヤーとは思えないほど洗練されており、百戦錬磨の男はチームを勝たせる術をリーグの誰よりも理解しているはずだ。

『ESPN』によると、レブロンとレイカーズの関係は決して芳しいものではないという。とりわけ、冬のトレードにおけるフロントのアクションに、キングは大きな失望を感じたようだ。

 レイカーズの首脳陣は、直近の2週間で2度もキングを怒らせている。そのひとつは、トレードデッドラインに球団が何一つトピックを作れず、チームに変化をもたらせなかったことだ。『ESPN』曰く、レブロンは今冬にロスターの入れ替えを望んでいた。当初、ラッセル・ウェストブルックジョン・ウォールのトレードを食い止めたのは、シーズン前にラスとの共闘を誓ったレブロン本人だと思われていたが、『Bleacher Report』の報道によれば、同トレードを阻止したのは、レイカーズの球団副社長兼ゼネラルマネージャー(GM)のロブ・ペリンカだったという。

 さらに、このような意見の食い違いがあったにもかかわらず、ペリンカGMはレブロンが球団の現状維持に賛成していると相反する事実を口にしたため、同選手の怒りは一線を超えてしまった。

 レブロンの代理人を務める「Klutch Sports」もまた、ペリンカGMをはじめとするレイカーズのフロント陣に大きな憤りを覚えている模様。レブロンは息子ブロニー・ジェームズとの共演を夢見ているが、残されたキャリアを無駄にする気は毛頭ない。目標は常にリーグの頂であり、レブロンはリング獲得のためなら、いかなるスター選手のトレードさえも辞さない男だ。

 こうした出来事が重なり、レブロンは最近、パブリックな場でチームを暗に口撃しはじめている。クリーブランドで開催されたオールスターゲームでは、記者から古巣キャバリアーズ復帰の可能性を問われると「そのドアは閉まっていない。自分の将来は固めていないし、いつフリーエージェントになるかも分からない」とコメント。もしレブロンがレイカーズへの忠誠を誓っていれば、きっと煙を巻くような発言にはならなかったはずだ。

 また、レブロンは自身のTwitterで、NFLの頂点を決める第56回スーパーボウルで優勝を果たしたロサンゼルス・ラムズのGM、レス・スニードを「レジェンドだ!まさに俺が求めている男だ!」と、その手腕を賞賛。スニードGMは、ジャレン・ラムジーやマシュー・スタッフォードといったスター選手を次々と獲得してチームを強化し、球団に二度目のNFLタイトルをもたらした立役者。その積極策はレイカーズとは対極にあるものであり、『New York Post』はレブロンがスニードGMを讃えることで、暗にペリンカGMを非難したとの見解を示している。

 レイカーズは、これ以上の関係悪化を避けなければならないだろう。レブロンは来季終了後、契約満了でフリーエージェントの身となる。現状のコントラクトを見ると、2022−23年シーズンを終えた時点でロスターに残る選手は、アンソニー・デイビステイレン・ホートン・タッカーのみ。もしこのまま関係性が修復しないのであれば、フロントはチームの弱体化を阻止するために、レブロンのトレードも検討する必要がある。

 果たして、レブロンとレイカーズの関係は今後、どのように発展していくのだろうか。

文=Meij

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