2022.04.27

今夏について「どこにも行くつもりはない」と語ったカイリーが目指していることとは?

プレーオフ1回戦で姿を消したデュラント(左)とカイリー(右)[写真]=Getty Images
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 4月26日(現地時間25日、日付は以下同)。ブルックリン・ネッツはボストン・セルティックスとのファーストラウンド第4戦に112-116で惜敗し、4連敗でプレーオフから姿を消した。

 このシリーズを平均21.3得点5.3リバウンド5.3アシスト1.8スティール1.3ブロックで終えたネッツのカイリー・アービングは、試合後にこう話していた。

「今シーズンは感情的にものすごくハードだったと思う。僕ら皆がそう感じていた。僕は(新型コロナウイルスのワクチン未接種により)プレーできなかった時に、このチームを失望させてしまったと感じている。このチームは僕をプレーさせることができるようにと、全ての選択肢を行使しようとしてくれたけど、僕は決してそうはしなかった。そのことで何度か動揺が起きてしまったんだと思う。それに皆さんも知っているとおり、このチームにはいくつか劇的な変化もあったからね」。

 ケビン・デュラント、カイリー、そしてジェームズ・ハーデン(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)というビッグ3がフルシーズンを共にすることもあり、今季のネッツは優勝候補筆頭に挙がるほどの注目を浴びていた。

 だがワクチン未接種により、カイリーは一部を除くアウェイゲームでしかプレーできないことで開幕前にチームから離脱。年明けから一部を除くアウェイゲームに出場する“パートタイムプレーヤー”に、そして3月後半になってようやくホームのバークレイズ・センターでもプレー可能となり、3月24日からプレーオフを含めてシーズン最後の14試合すべてに出場。

 ただ、ジョー・ハリスが足首のケガのため14試合のみの出場に終わり、デュラントもシーズン中盤にひざのケガのため長期離脱。今年2月のデッドラインでハーデンとポール・ミルサップを放出し、シクサーズからベン・シモンズセス・カリーアンドレ・ドラモンドを獲得するという大型トレードも断行した。

 カリーとドラモンドは先発としてプレーし、プレーオフ進出に貢献したものの、シモンズは背中に椎間板ヘルニアを抱えてしまい、結局1試合も出場できずに今シーズンを終えた。

「僕らがこの位置になった最大の理由、それはチームとしての継続性が欠けていたことだと思う。シーズンをとおして、このチームにはものすごく多くのことが起こってしまった」とカイリー。

 シモンズについては「僕らは彼の味方だ。次のシーズンで良くなっていくだろう」と語り、チームの今後については「チームとしての未来、自分たちにはこれから先の数年間でどんなことを成し遂げられるのかをしっかり見ていく必要がある。僕はそのことを楽しみにしている」と語っていた。

 ネッツはデュラント、シモンズ、ハリス、カリーが来季も契約下におり、カイリーとパティ・ミルズの来季契約がプレーヤーオプション、ブルース・ブラウンやブレイク・グリフィンゴラン・ドラギッチらが制限なしフリーエージェント(FA)となるのだが、カイリーは「どこにも行くつもりはない」と口にし、さらにこうも話していた。

「僕は(デュラントと)一緒にいるし、ここですばらしいチームを作り上げたい。個人として、僕は自分のすごさを認識してもらえたと思う。けど自分のキャリアにおいて、今はすばらしいチームの一員になりたいんだ。個人としての業績にフォーカスするのではなく、(チームとして)何か特別なことを作り上げたい。この夏はチームメートたちと一緒に、それについて取り組むことにフォーカスしている」。

 ネッツは昨季もデュラント、ハーデンがハムストリングのケガに悩まされ、カイリーもプレーオフ途中でケガのため戦線離脱。今季もケガと新型コロナによってチーム力、上質なケミストリーを作り切れずに終焉を迎えていた。

 そのため、カイリーとしては今夏ネッツと再契約を結び、現有戦力ですばらしいチームを構築すべく、オフシーズンから取り組むことになる。豊富なスキルと高精度なシュート力を兼備したリーグ有数のスコアリングガードの来季を楽しみに待ちたいところだ。

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