2022.05.17

第7戦で快勝したマブスのドンチッチ「僕じゃない。今日はチーム全員でつかんだ勝利」

カンファレンス決勝へと駒を進めたマブスのドンチッチ[写真]=Getty Images
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 5月16日(現地時間15日、日付は以下同)に迎えたフェニックス・サンズとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル最終第7戦。ダラス・マーベリックスルカ・ドンチッチは前半だけで27得点と爆発し、ゲームハイの35得点10リバウンドに4アシスト2スティールをたたき出し、123-90でマブスが快勝する立て役者となった。

 スロベニアからやってきた23歳の神童は、プレーオフ通算23試合で現役トップとなる平均32.7得点に9.3リバウンド8.3アシストとポストシーズンで猛威を振るっており、あのマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/平均33.5得点)に次ぐNBA歴代2位の平均得点をマーク。

 さらに恐ろしいのは、プレーオフのシリーズで3敗を喫してシーズン終了まであと1敗に追い込まれた試合で平均38.3得点と、歴代最高の平均得点をたたき出していること。過去2年間のプレーオフでいずれもファーストラウンド敗退を喫して迎えた今年、自身初の1回戦突破に加え、カンファレンス準決勝をも勝ち抜いた。

「正直な話、僕はこのチームが勝利するに値すると思っている。このシリーズを通じてハードにプレーしてきたからね。いくつかの試合で、(本来の)自分たちではなかったかもしれない。けど第7戦をここで迎えるにあたり、僕らは信じていた。ロッカールームでもそうだし、このチームの皆が信じていたんだ。だから僕は幸せなんだ」。

 2勝3敗から2連勝してサンズを撃破したドンチッチは試合後にそう語り、シリーズ勝利を喜んでいた。マブスのスーパースコアラーはいずれも両チームトップとなるシリーズ平均32.6得点9.9リバウンド7.0アシスト2.1スティールを残してウェスト決勝へとけん引したのだが、第7戦の快勝はチームとしての勝利だと語っていた。

「僕じゃない。今日はチーム全員でつかんだ勝利だった。今日はもう信じられないことになったよ。第7戦でこんなパフォーマンスは見たことがない。過去にアウェーゲームでこれだけのことをしたチームがあるのか、僕には思い出せない。僕はこのチームが今日やってのけたことが本当に誇らしい」。

 第7戦でプレーオフ自己最多となる30得点を奪ったスペンサー・ディンウィディーは「彼は相手へ決定打を決めたがるタイプの男なのさ。だから僕は彼のことを信用している。どんな瞬間であろうと恐れたりしないんだ」と、ドンチッチを絶賛していた。

 19日から幕を開けるウェスタン・カンファレンス・ファイナルの相手は、ステフィン・カリークレイ・トンプソンドレイモンド・グリーンといった豊富なプレーオフ経験を誇る選手たちが所属するゴールデンステイト・ウォリアーズ。

 それでも、ジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)は「彼はルカ。大舞台が大好きなのさ。舞台が大きくなるにつれて、彼はさらに良くなるんだ」と話していることから、ドンチッチが次のシリーズでどんなパフォーマンスを見せてくれるのかは楽しみでしかない。

 ドンチッチがスムースな動きから放つステップバックスリー、多彩なステップを交えて繰り出すフェイダウェイジャンパー、絶妙な間合いから放り込むフローターといったショットの数々は、ウォリアーズとのシリーズでも面白いようにリングへ吸い込まれていくのかは必見だ。

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