2022.06.02

通算6度目の頂上決戦に臨むカリー「究極のゴールを達成すべく、すべてを経験してきた」

4度目の優勝をかけてファイナルに臨むカリー[写真]=Getty Images
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 6月2日(現地時間1日、日付は以下同)。今季のNBAファイナルで激突するゴールデンステイト・ウォリアーズとボストン・セルティックスの選手たちとヘッドコーチ(HC)たちがメディアデイに応じた。

 ウォリアーズ在籍13シーズン目のステフィン・カリーは、2019年以来3年ぶりのファイナルで、通算6度目の出場となる。28試合のファイナル出場経験は現役3位で、チームメートのアンドレ・イグダーラ(32試合)に次いで両チーム2位。

 とはいえ、19年のファイナルでトロント・ラプターズに2勝4敗で敗れて3連覇を逃した後、ウォリアーズはクレイ・トンプソンが相次ぐ大ケガに見舞われて2シーズンを全休、カリーも左手骨折のため19-20シーズンはわずか5試合の出場に終わり、ドレイモンド・グリーンも数々のケガに苦しみ、このシーズンはリーグワーストの15勝50敗と低迷。昨季はウェスタン・カンファレンス8位の39勝33敗でレギュラーシーズンを終えるも、プレーイン・トーナメントで2連敗を喫してプレーオフを逃しており、ここまで簡単な道のりではなかったとカリーは振り返る。

「2019年のファイナル第6戦から今にかけて、僕らはチームとしてすべてを乗り越えてきた。数人がケガをしてきたし、ここ2年半は(新型コロナウイルスの)パンデミックも起きていた。

 そこで僕らはこの舞台へと戻って(優勝という)究極のゴールを達成すべく、すべてを経験してきたんだ。新たなチャンピオンシップを勝ち取るチャンスを手に入れるためにね。その間、このチームには若い選手たちもたくさん入ってきて、コアとしてケミストリーを再構築しようと努力してきた。

 お陰でこの2年半にやってきた全てのことが報われたと思う。経験を重ねて、このチームにいるベテラン陣の存在も大きかったと思うね。そして僕らはあのファイナルから今こうして戻ってくることができた。だからものすごく特別なこと」。

 今年のファイナルで対戦するセルティックスはジェイソン・テイタムジェイレン・ブラウンマーカス・スマートアル・ホーフォードといった実力者がそろうものの、ファイナル出場経験者は皆無で、ウォリアーズはカリー、トンプソン、グリーン、イグダーラ、ケボン・ルーニーが経験しており、計123試合を誇る。

 もっとも、スティーブ・カーHCは「確かに、我々にはファイナルの経験がある。それは事実だ。けどボストンは決して若いチームではないんだ。彼らはファイナルに進んだことこそないが、その点で経験不足と見ることはできない」と慢心はなく、カリーもこう語っていた。

「あのチームの数名は、イースタン・カンファレンス・ファイナルを何度も経験している。同じようなことだけど、最後の2チームが残り4勝をかけてチャンピオンシップ獲得をかけて戦うのは全然違ってくる。

 最初の試合で何人かが神経質になっても、そのあとは次第に普段と同じような状態になっていくのさ」。

 セルティックスとのレギュラーシーズンにおける戦績は1勝1敗。カリーは昨年12月18日の試合で30得点を残すもフィールドゴール成功率38.1パーセント(8/21)、3ポイント成功率35.7パーセント(5/14)、3月17日の第2戦ではスマートとのルーズボール争いで左足を痛めてしまい、途中退場したこともあってわずか3得点に終わっていた。

 そのため、ウォリアーズは今季行なわれたセルティックスとの2試合でカリー、トンプソン、グリーンはわずか4.3分しか共演できておらず、しかも相手に1-7と圧倒されていた。

「このリーグでは不安定なことがいくつもあって、誰もがこうした基盤を僕らみたいに持続していくことはできないから、本当に誇らしいことだと思う」とカリーが話したように、ウォリアーズが誇る不動の3本柱の破壊力を見せつけたいところ。

 はたして、ウォリアーズはセルティックス相手に2018年以来、球団史上7度目の王座を獲得することができるのか。このチームの原動力は紛れもなくカリーだけに、この男のパフォーマンスは必見だ。

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