2022.06.10
6月3日(現地時間2日、日付は以下同)に幕を開けたNBAファイナル初戦。ホームのチェイス・センターで迎えたゴールデンステイト・ウォリアーズは、第3クォーターを終えた時点で12点(92-80)をリードしていた。
特にステフィン・カリーは第1クォーターだけで6本の3ポイントを放り込み、ファイナルの1つのクォーターにおける最多3ポイント成功数の新記録を樹立し、第3クォーターを終えた時点で30得点と絶好調。
ところが、最終クォーターに入ってボストン・セルティックスが猛反撃。ジェイレン・ブラウンが積極果敢なアタックでペイントエリアをこじ開けて加点していくと、そこからアル・ホーフォードやデリック・ホワイト、マーカス・スマートらが面白いように長距離砲を沈めて逆転し、そのままセルティックスが120-108で大事な初戦を制した。
今プレーオフで9戦無敗を誇っていたホームでまさかの逆転負けを喫したウォリアーズでは、7本の3ポイントを沈めたカリーがゲームハイの34得点に5リバウンド5アシスト3スティール。さらにアンドリュー・ウィギンズが20得点5リバウンド3ブロック、クレイ・トンプソンが15得点3アシスト、オットー・ポーターJr.が12得点2スティール、ドレイモンド・グリーンが11リバウンド5アシスト2スティール、ケボン・ルーニーが9リバウンド5アシスト3ブロックを残すも黒星発進に。
第4クォーターにウォリアーズが喫した24点差(16-40)は、NBAファイナルにおける第4クォーターとして史上最大であり、ファイナルの試合における1つのクォーターとしても史上最多タイとなる点差だった。
「当然、選手たちは皆、沈んでいた。誰だって最初の試合に勝ちたいものだからね。我々には機会があった。12点差をつけて第4クォーターに入ったんだ。でもこれは7ゲームシリーズ(4戦先勝)なのさ。ボストンを称えるべき。彼らは勝利を勝ち取ったのだから」。
ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はそう語り、選手たちが落ち込んでいたことを明かしていた。2015年から19年にかけて5年連続でファイナルへと勝ち進んだこのチームは、19年(対トロント・ラプターズ/2勝4敗で敗退)を除く4年間でいずれもファイナル初戦を制していただけに、後味の悪い敗戦になったと言えるだろう。
それでも、指揮官は「映像を見直して、どの部分で修正できるかを見ていく。これはあくまで1試合に過ぎないのだから」と口にしており、6日に行なわれる第2戦以降に向けて気を引き締めていた。それにウォリアーズの選手たちもこの敗戦に落胆したまま終わることはない。グリーンは「まぁいいさ」と切り出してこう話していた。
「何かほかのこと、違う方法でやるというチャンスを得たということ。この挑戦を受け入れる。俺たちはいつだって挑戦を受け入れてきた。それに(この敗戦が)自信を揺るがすこともない。パニックになることなんてない」。
そしてカリーも「理想的な形ではない」と敗戦を悔やみつつ、こう口にしていた。
「僕は自分たちの実力を信じている。このチームがどうやって逆境に対処してきたか、シーズンをとおして僕らがどうやって応じてきたか、プレーオフの試合で負けた後に自分たちがどうやってきたかをね。だから第4クォーターから多くを学んだのさ」。
シリーズ第2戦に向けて、カリーは「相手がいいチームなのは分かっている。だからこそ、僕らは日曜日(日本時間の月曜日)に応酬しなきゃいけない」とリベンジを誓っていた。
はたして、ウォリアーズは第2戦で初戦の悔しい逆転負けを挽回してシリーズを1勝1敗のタイにすることができるのか。次戦も必見のゲームとなるに違いない。
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