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『B MY HERO!』
ゴールデンステイト・ウォリアーズで在籍11シーズン目を終えたクレイ・トンプソンは、今季のファイナルでボストン・セルティックスを4勝2敗で下したことで、4度目のNBAチャンピオンとなった。
3年ぶり6度目となった頂上決戦で、32歳のシューティングガードはシリーズ平均38.3分17.0得点3.0リバウンド2.0アシスト1.3スティールを記録。出場時間でチーム2位、得点でチーム3位の数字を残した。
だがフィールドゴール成功率は35.6パーセント、3ポイント成功率でも35.1パーセントと、フリースローこそ10本すべて成功させたとはいえ、シュートタッチに苦しみ、第2戦では11得点、第6戦でも12得点と不発。
それでも、敗れたとはいえ第3戦では5本の3ポイントを沈めて計25得点、第5戦でも長距離砲を5本決めて計21得点をマークし、ディフェンスでも奮戦してチャンピオンチームの一員になった。
「もう間違いなく信じられなかったね。気分は人生でも最高だった。このステージから離れたくなかった。これがどれほど大変なことか分かっているから、この場に4度も立てていることに、チームメートたちへすごく感謝している」。
19年のファイナル第6戦で左ひざの前十字靭帯(ACL)を断裂し、20年11月には右足のアキレス腱断裂という大ケガを負い、昨季まで2シーズン連続の全休を余儀なくされた男は、手術を受けたあとのリハビリ中にはボールも触れずにプールの中を歩いたりして地道に復活に向けて励んできただけに、その喜びもひとしおだろう。
もっとも、トンプソンは今季序盤の時点で、「(このチームは)18勝2敗でシーズンを始めたことで、優勝するか失敗するかのどっちかだと言ったら、人々は僕のことをクレイジー呼ばわりした」と明かし、すでに優勝を狙える兆候があったと話していた。
「僕らを成功へと導いたウォリアーズ ブランドのバスケットボールをプレーしていた。僕はそこに入るんだろうと分かっていたから、何か特別なことができるチャンスがあると分かっていた。そして今、僕らはここにいる。もう本当に信じられないね」。
今年1月に約2年半ぶりにコートへ復帰したトンプソンにとって、今季は決してスムースなシーズンではなかった。復帰後もプレーオフで長時間プレーできるようにと出場時間を制限されるなかでもがいてきた。
「このシーズンで何度もアップ&ダウンを経験してきた。プレーオフに入ってからもね。だから何度か途方に暮れることだってあった。僕は(優勝する)可能性があるのは分かっていた。でも実際に(優勝して)この場にいられるなんてね。もうここから離れたくないよ。この瞬間を毎秒楽しんでいたい」。
優勝後の会見でそう語っていたことからも、トンプソンは苦しみながらも自身のこと、そしてチームのことを信じ続けていたことが分かる。
今プレーオフ全体で、トンプソンは平均19.0得点3.9リバウンド2.3アシスト1.1スティールに3ポイントを計77本沈めたことで、プレーオフとファイナルにおける通算成功数でチームメートのステフィン・カリーに次ぐNBA歴代2位へ浮上。
ウォリアーズが誇る“スプラッシュ・ブラザーズ”は、名実共にNBA史上最強のシューティングバックコート陣になったと言っていいはずだ。
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