2022.10.29
インディアナ・ペイサーズは、昨季リック・カーライルHC(ヘッドコーチ)が15シーズンぶりに指揮官として復帰し、2シーズンぶりのプレーオフ進出を目指して開幕を迎えるも、なかなか白星を手にすることができず、シーズン途中から主力のトレードに踏み切った。
今年2月にキャリス・ルバートをクリーブランド・キャバリアーズ、ドマンタス・サボニスをサクラメント・キングスへ手放し、昨季終了後にはマルコム・ブログドンをボストン・セルティックスへ放出。
昨季チームはイースタン・カンファレンス13位の25勝57敗に終わり、フランチャイズ史上ワースト3位の戦績へ低迷した。
今夏ペイサーズはドラフト1巡目全体6位でガードのベネディクト・マサリンを指名。制限付きフリーエージェント(FA)だったディアンドレ・エイトンと一度はサインするも、フェニックス・サンズがすぐさまマッチしたことで獲得に失敗。
そのため、今季は昨季途中にトレードで加入したタイリース・ハリバートン、バディ・ヒールド、ジェイレン・スミス、マイルズ・ターナー、マサリン、昨季オールルーキーセカンドチームに選ばれたクリス・ドゥアルテといった選手たちを中心に戦っていくことになる。
なかでもフロントが期待を寄せているのはハリバートン。昨季ペイサーズへ加入後に平均17.5得点4.3リバウンド9.6アシスト1.8スティールに、フィールドゴール成功率50.2パーセント、3ポイント成功率41.6パーセント(平均2.2本成功)を残してみせた。
8月20日(現地時間19日)に『BASKETBALL NEWS.COM』へ掲載された記事のなかで、チャド・ブキャナンGM(ゼネラルマネージャー)は22歳のガードについてこう評していた。
「我々は彼を中心にチームを構築していくことになる。我々としては、彼が次代のレジー・ミラー(元ペイサーズ)になってくれることを願っている。このチームはレジー・ミラーを中心に、インディアナポリスでチームを作り上げてきた。だから私たちの夢はいつかタイリースがそうなってくれること」。
ミラーは1980年代後半から2000年代中盤にかけて、18シーズンをプレーしてきたシューティングガード。正確無比なシュート力、憎たらしいまでの勝負強さを持ち、クラッチタイムで何度もチームを勝利へと導くビッグショットを沈めてきた。
12年にバスケットボール殿堂入りしたレジェンドと、キャリア2年目を終えたばかりのハリバートンを比較するのはさすがに時期尚早だが、再建中のペイサーズにおいて、ハリバートンがどれだけ期待されているかが分かる。
もっとも、ハリバートンは「それは面白すぎる。そのことを耳にした時には思わず面白いと思ってしまった。僕が思うに、それは自分で決断できることじゃない。むしろファンやメディアが、(フランチャイズの顔は)誰なのかを決めることになると思う。もしある人が僕だと言ったとしてもね。そのことを僕は理解しているよ」とコメント。
とはいえ、昨季途中にキングスからトレードされ、ペイサーズでエース格となっただけに、今季のチーム戦績はこの男のパフォーマンスが左右するかもしれないこともあり、ハリバートンは「僕にとって最高の機会」とも話していた。
今季ペイサーズがプレーイン・トーナメント進出争い、さらにはプレーオフ出場を果たすには戦力不足は明らかで、勝率5割を残すことも厳しいだろう。そうした中で、ハリバートンが球団の将来を託せる選手として浮上できるかどうかに注目していきたい。
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