2023.02.23
今冬のトレードマーケットで最も大胆に立ち回ったのは、ロサンゼルス・レイカーズだろう。ラッセル・ウェストブルック、パトリック・ベバリー、ケンドリック・ナンといったロスターの中心選手を続々放出した対価として、八村塁、ディアンジェロ・ラッセル、ジャレッド・バンダービルトら未来ある有望株を獲得している。
しかし、フロントオフィスのロブ・ペリンカGMがアクティブになった背景には、キングからの見えない圧力があったのかもしれない。
「FOX Sports Radio」で『The Herd』のパーソナリティーを務めるコリン・カワードは、レブロン・ジェームズがインサイドの要であるアンソニー・デイビスと、ヘッドコーチのダービン・ハムに対して不満を抱いており、レイカーズ内に緊張が走っていると伝えている。
「レブロン・ジェームズのケガは、ダービン・ハムが彼を酷使したためだと思われている。そして、当番組でもよく話しているが、レブロンは優勝以降、フランチャイズをアンソニー・デイビスに託したかった。しかし、彼はコンディションが整っていない状態でシーズンに入ってきた。これがレブロン・ジェームズを怒らせた原因だ。当然だろう」
「レブロンはすでにケガをしていて、今でも馬車馬のようにプレーしている。だから、彼は最近3つのメッセージを発信した。1つ目は(NBAレポーターの)クリス・ヘインズが最近、レブロンのケガが当初の報告より悪化しているというエピソードを語ったこと。これは明らかに彼側からリークされたものだ。2つ目は(NFLの)スーパーボウルに登場したこと。チームには帯同しないが、スーパーボウルには行く。これもメッセージだろう。そして、3つ目は彼があまりにも長い時間プレーしていて、これにより周囲の人々が動揺している。すなわち、レブロンはハッピーではないのだ」
レブロンの不満を要約すると、自身の後継者と見立てていたデイビスにチームを任せることができず、未だ絶対的エースとして長時間のプレーを強いられ、最終的に負傷までしたことに苛立ちを抱いているということになる。
デイビスは優勝から明けた直近の2シーズンでわずか76試合の出場に止まっており、パフォーマンスもエースの肩書きを背負うにはほど遠い内容。とりわけ、レブロンが欠場した2月12日(現地時間11日)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦は、前半でわずか4得点、フィールドゴール成功率28.6パーセントという本来の実力にもサラリーにも見合っていない低調なデータが記録されている。
一方のレブロンはどうだろうか。38歳、キャリア20年目にして、出場時間はチームトップの36.3分。得点、アシストはチーム1位、リバウンドもチーム2位と、フランチャイズ最年長者とは思えない圧巻のスタッツをマークしている。もちろん、これがキングたる所以でもあるが、当の本人は若い世代の台頭に期待しており、自身は健康的に1日でも長くキャリアを送ることを望んでいるものと思われる。
そして、19度のオールスターの怒りの矛先はヘッドコーチにも向けられている。カワード曰く、未だプレータイムと責任の大部分がレブロンに依存し、ハムHCがデイビスに対してプレッシャーをかけていないことに対しても不満を感じているという。
以上のことから、球団を勝利に導ける選手が必要だと考えた場合、トレード市場におけるフロントの活発な動きには合点がつく。
もちろん、NBAに憶測はつきものだが、火のないところに煙は立たない。プレーオフ進出にも黄色信号が灯ったレイカーズ。ひとつ間違いのないこととすれば、チームには明らかに“変化”が必要だ。
文=Meiji
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