2023.04.10

ウルブスの雰囲気は最悪か? ルディ・ゴベアがベンチでチームメートを拳打、帰宅を命じられる

ゴベア(左)がタイムアウト中、アンダーソンの胸元付近に拳を放った [写真]=Getty Images

 ミネソタ・ティンバーウルブズは、トレードやケガで主力の入れ替えが相次いだものの、自力でプレーイン・トーナメント出場権を獲得し、ポストシーズンでの戦いに向けて望みをつないだ。

 しかし、今シーズンのウルブズは不穏なムードが拭えない。カール・アンソニー・タウンズアンソニー・エドワーズの食生活に苦言を呈したかと思えば、背番号1を背負う若きエースは「僕たちのプレーはソフト」と発言するなど、メディアでは悪いニュースが目立っている。

 そして、4月10日(現地時間9日)に開催されたニューオーリンズ・ペリカンズ戦でも事件は起きた。第2クォーターのタイムアウト中、ルディ・ゴベアカイル・アンダーソンの間で口論が勃発。アンダーソンがゴベアに対して「なぜショットブロックにいかないんだ」と指摘すると、ゴベアが「お前もリバウンドを取れよ」と応戦した。そのやり合いのあと、アンダーソンが「黙れ」と言い返すと、今度はゴベアの怒りが一線を越え、アンダーソンの胸元付近に拳を放つ様子がカメラに捉えられた。

『The Athletics』によると、2人の緊張感はハーフタイムまで持ち越され、ロッカールームでも激しい口論が続いた模様。そして、アンダーソンは引き続きゴベアに対して暴力的な発言を吐くなど、いよいよ収拾がつかなくなり、チームは試合中にも関わらずゴベアに対して帰宅を命ずる異例の決断を下した。

 試合はウルブズが勝利したものの、球団社長のティム・コネリー氏は「彼のベンチでの振る舞いは受け入れ難い」とゴベアを厳しく非難。だが、ゴベアも冷静になると、チームチャットならびに自身のSNSで謝罪の弁を述べた。

「今日は感情的になってしまいました。何を言われようとも、あのような反応をするべきではありませんでした。ファンや組織、そして特にチームメートとして心から愛し、尊敬しているカイルに謝罪したいです」

 そんな最悪の事態の収束に貢献したのが、ベテランのマイク・コンリーだった。コンリーはユタ・ジャズ時代にもゴベアとプレーしている信頼関係から、ゴベアを帰宅させるという組織の決定を伝える役も任された。

 コンリーは、2人の勝利に対する情熱が衝突の引き金だったという。

「感情的な試合だね。カイルとルディは最も競争心に溢れた2人だからね。正直なところ、いろいろなことが起こるんだ。ルディは自分がコントロールを失ったことを直接話してくれるだろうし、それについて謝罪する。彼はすでに僕らに連絡してきた。こういうことは起こるものだ。やりたくなくてもやるべきことを果たさないといけない」

 しかし、バッドニュースはこれだけではない。この試合、ジェイデン・マクダニエルズも苛立ちから通路の壁を殴り、右手を骨折。ナズ・リードもケガで欠くウルブスにとっては大きな痛手となってしまった。

 はたして、チームはプレーイン・トーナメントまでにいいムードを取り戻せるのだろうか。

文=Meiji

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