2023.05.19

スパーズ入団が確実視されているビクター・ウェンバンヤマ「本当に特別な瞬間になった」

今年のドラフト1位指名が濃厚なウェンバンヤマ[写真]=Getty Images
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ドラフトロッタリーでスパーズが全体1位指名権を獲得
「彼のアプローチ、プロフェッショナリズムは見事なものだ」とスパーズGM

 5月17日(現地時間16日、日付は以下同)にイリノイ州シカゴで行われた「NBAドラフト2023」の指名順位を決める抽選会、ドラフトロッタリーで、1巡目全体1位指名権を手にしたのはサンアントニオ・スパーズだった。

 今シーズンのスパーズは、ウェスタン・カンファレンス最下位の22勝60敗となり、4シーズン連続でプレーオフ進出を逃した。だが1位指名権を獲得したことで、6月23日のドラフト当日を前に大盛り上がりを見せている。

 スパーズ オーナーのピーター・J・ホルトは「信じられないことになるでしょう。我々の未来はすでに明るいものでした。今はもう(うれしすぎて)月をも跳び越えてしまうほどです」と喜びをあらわにしていた。

 それもそのはず。今年のドラフトには一世一代とも言われる魅力的な選手がおり、1巡目1位指名が確実視されている。男の名はフランスのメトロポリタン92に所属するビクター・ウェンバンヤマ。7フィート5インチ(約226センチ)の身長で、8フィート(約244センチ)というウイングスパンを持ち、ペリメーターでガードのようにプレーできる選手として注目を浴びてきた。

「世代の才能の持ち主で、コート上で見せるスキルのことを話しているが、それ以上の存在だ。彼には素晴らしいチームメートになれる才能があり、これまで誰もやったことがないかのようなことをやっている。それに彼のアプローチ、プロフェッショナリズムは見事なものだ」

 スパーズのブライアン・ライトGM(ゼネラルマネージャー)はそう語り、19歳のビッグマンに大きな期待を寄せていることから、来月のドラフトでスパーズはウェンバンヤマを指名することが確実視されている。

左からパーカー、ロビンソン、ダンカン[写真]=Getty Images

 これまでに、スパーズがドラフト全体1位指名権を獲得したのは2度のみ。そこでこの球団は1987年にデイビッド・ロビンソン、1997年にはティム・ダンカンと、いずれもシーズンMVPに輝いたビッグマンたちを指名してきた。スパーズは1999年にフランチャイズ史上初優勝を飾ると、その後も2003、2005、2007、2014年と、計5度の優勝を達成。ロビンソンは最初の2度、ダンカンは5度すべての優勝に主力として絶大な貢献をしており、2選手ともバスケットボール殿堂を果たしている。

 そして見逃せないのは、このチームが計5度の優勝を成し遂げたうえで、外国籍選手たちが重要な役割をこなしてきたこと。なかでもアルゼンチン出身のマヌ・ジノビリ(現スペシャルアドバイザー)、フランス出身のトニー・パーカーはダンカンとともに“ビッグ3”を形成したほど主軸を務めて4度の優勝、同じくフランス出身のボリス・ディーオというオールラウンドなスキルを持ったビッグマンも2014年に優勝メンバーとなった。

 スパーズはフランスで人気のNBAチームということもあり、ウェンバンヤマは「心臓がドキドキしている。今日は本当に特別な瞬間で、これからもずっと忘れないだろうね」と口にし、「できるだけ早く(チャンピオン)リングを勝ち取れるように努力していく。だから準備していくよ」と意気込んでいた。

 ドラフト当日まで約1カ月あるものの、スパーズは全体1位指名権を手にしたことで、グレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)の下、すでに追い風が吹いていると言えるだろう。

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