2023.12.06
10月27日(現地時間26日)にファイサーブ・フォーラムで行われたフィラデルフィア・セブンティシクサーズとミルウォーキー・バックスによるレギュラーシーズン開幕戦は、40分以上にわたってホームのバックスがリードする展開となった。
だが、バックスの大黒柱ヤニス・アデトクンボが「インテンシティがものすごく高かった。もうほとんどプレーオフの試合みたいだった」と試合後に話したように、ゲームは手に汗握る展開に。
第4クォーターに入ってアウェーのシクサーズが主導権を握り、残り6分47秒にタイリース・マクシーのフリースロー2本が決まって8点リード(102-94)を手にした。
するとバックスはブルック・ロペス、ジェイ・クラウダーの2連続3ポイントシュートとアデトクンボのフックショットで同点に追いつくも、マクシーがリムへ突っ込んで加点し、残り4分16秒でシクサーズが再び逆転する。
バックスはアデトクンボがリム付近から2本連続でショットを落とすも、自らオフェンシブ・リバウンドをもぎ取り、左ウイングにいたデイミアン・リラードへ託すと、そのリラードが当然のごとく長距離砲を沈めて逆転。
その後バックスはアデトクンボがレイアップを決めると、リラードが昨シーズンまでポートランド・トレイルブレイザーズで何度も見せてきたクラッチパフォーマンス“デイム・タイム”を発動。フリースロー3本と3ポイントプレーを成功し、残り1分13秒にはクラッチスリーも放り込み、フリースロー2本も沈めてチーム最後の11得点を1人でたたき出し、最終スコア118-117でバックスが勝利を収めた。
この日アデトクンボが23得点13リバウンド2スティール2ブロックを残したものの、リラードはそれを上回るゲームハイの39得点に8リバウンド4アシストと大暴れ。17本のフリースローをノーミスで決めた33歳のベテランガードは、バックスの選手としてデビュー戦でフランチャイズ史上最多得点をマーク。
バックスはアデトクンボとクリス・ミドルトンを中心に、ロペスやボビー・ポーティスらが構築し、2021年にリーグ制覇も成し遂げた強豪チーム。そのため、リラードは試合後にこう話していた。
「俺はここへやって来て『これこそ求めていたこと』だと言うつもりはない。彼らはチャンピオンチーム。2度のMVPで、75周年記念チームに選ばれた男(アデトクンボ)がいる。俺のメンタリティとしては、ここで学ばなきゃいけない、どうやってこのチームへフィットしていくかを学んでいく必要がある、というものだった」
とはいえ、これまでにオールスターとオールNBAチームにそれぞれ7度、75周年記念チームにも名を連ねたリラ―ドは「彼らは俺の判断を信頼していて、俺が決断を下していくと信じてくれているんだ」と新たなチームメートたちから多大な信頼を得ていた。
9月下旬にトレードでバックス移籍が決まったリラードは、チームの練習施設でフィジカルチェックを受けて深夜に終えると、アデトクンボと話し込んだという。
「そこで彼が俺に言い続けてきたのは『僕は自分のやるべきことをやっていく。あなたにはあなたのやるべきことをやってほしい。試合を締めくくってほしい。あなたがやってきたことはみんなが知っている。僕らは同じことを必要としている』というものだった」
リラードの言葉からも、アデトクンボとは時間をかけて話し合ってきたことが分かる。レギュラーシーズンはまだ1試合を終えたばかりだが、競り合った展開で勝ち切ったことは、バックスにとって好材料となったに違いない。
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