2025.05.23
NBAプレーオフ2025も佳境へと突入し、ウェスタン・カンファレンス決勝戦はレギュラーシーズン1位のオクラホマシティ・サンダーと、6位のミネソタ・ティンバーウルブスのカードとなった。
このシリーズでは、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーとニキール・アレクサンダー・ウォーカーの従兄弟対決が実現する。
両者は幼少期からトロント近郊で互いの家を行き来し、バスケットボールに明け暮れていた。高校時代はテネシー州のハミルトンハイツ・クリスチャンアカデミーで、コーチ宅で同室生活を送り、朝晩の自主練から1対1まで、毎日のように兄弟喧嘩の延長のように互いの研磨を積んできた。
シェイは素晴らしい舞台で、ニキールと顔をあわせることに興奮を隠せない様子だ。シリーズ開幕前の会見で、OKCのエースはニキールと対戦する心境について問われると、以下のコメントを伝えている。
「めちゃくちゃ楽しみだよ。うまく説明するのは難しいけど、俺たちの絆を知っている人なら分かるはず。彼は文字通り、“二人目の兄弟”みたいな存在で、バスケットボールを始めた頃からプレップスクール、NBA入りまで、人生のすべての段階を一緒に歩んできたんだ。あらゆる状況を共有してきた。でも、試合が始まったら、もちろん彼の首を取りに行くつもりだ。完膚なきまでにね」

カナダ代表ではチームメートとして共闘する2人[写真]=Getty Images
シェイは、リーグでもアンストッパブルな存在にまで成長した。レギュラーシーズンはリーグトップとなる平均32.7得点を記録。激しいマークに遭うポストシーズンでも平均29.0得点を維持し、チームの重要な得点源を担っている。
ウルブスとしては、シェイに楽をさせないことがアップセットの鍵となる。そのために、クリス・フィンチHCは血縁の力を利用して、シェイの手の内や癖を最も知るニキールをマッチアップさせる機会を作るだろう。
「首を取りにいく」と言われたニキールも、例え相手がMVP候補でも一歩も引く気はない。具体的な対策については濁しているものの、ウルブスがカンファレンス優勝を成し遂げるために、シェイ封じに一役買って出る気概を見せている。
「ポーカーみたいなものだ。相手(シェイ)を読むゲームだよ。今ここで手の内は明かせない。ドロップ(守り方)や戦略は伝えられないよ。この貴重なマッチアップとチャンスを楽しみたい。俺が勝つ場面もあれば、彼が勝つ場面もある。でも絶対に引かない。彼が俺を止める回数より、俺が彼を止める回数を多くしたい」
SGAとNAWの対戦は、2009年のパウ・ガソルとマルク・ガソル以来の血縁対決だ。そうした理由もあり、熱くなっているのは当事者の2人のみではない。
ニキールは試合前の囲み取材で、ウェスタン・カンファレンス決勝カードが決定した後に、自身の母がシェイの父に宣戦布告のメッセージを送ったことを明かしている。
「試合後に母から電話があって、SGAの父に『さあ、戦争だ』とテキストを送ったことを教えてくれたよ(笑)」
それでも今シーズン、ロールプレーヤーながらウルブスでレギュラーシーズン全試合出場を果たしたニキールは、勝利の二文字に集中している様子だ。
「最終的には愛がすべてだけど、ほんとにクールな気分だよ。携帯を開けば、友達も家族もこの話題ばかりだ。10年後、20年後には、この瞬間の価値をもっと深く味わえると思う。でも今はただ、ウルブズが4勝することだけが目標だ」
ゲーム1は、後半に調子を上げたOKCに軍配。果たして、このシリーズをものにし、リング獲得に王手をかけるのは。
文=Meiji
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