“記者会見のベストプレーヤー”を祝福…NBAオールインタビューチームが約20年ぶりに復活

　全米プロバスケットボール記者協会（以下、PBWA）は5月9日（現地時間8日）、2024-25シーズンのNBAオールインタビューチームを発表した。

　NBAオールインタビューチームは、メディアに対して一貫して思慮深く、洞察に富み、魅力的な受け答えを行っている選手たちを称える賞である。この賞はかつて、NBAの公式アワードとして長らく存在していたが、2003-04シーズンを最後に廃止。しかし、PBWAは選手たちがメディア対応義務を果たすだけでなく、記者たちの取材を豊かにするコメントを与えてくれることに敬意を表し、この賞を復活させることを決定した。

　再始動初年度のファーストチームには、ステフィン・カリー（ゴールデンステイト・ウォリアーズ）、ケビン・デュラント（フェニックス・サンズ）、ヤニス・アデトクンボ（ミルウォーキー・バックス）、ドノバン・ミッチェル（クリーブランド・キャバリアーズ）、ドレイモンド・グリーン（ゴールデンステイト・ウォリアーズ）の5名が選出された。

　PBWA会長のハワード・ベックは、NBAオールインタビューチームの再開にともない、以下のコメントを伝えている。

「オールインタビューチームを復活できることを嬉しく思います。同時に、この試みに対してリーグが支援してくれたことにも感謝しています。素晴らしい記事には、素晴らしいインタビューが欠かせません。私たちの仕事を楽しく、そして記事をより深くしてくれる選手たちに心から感謝しています」

　PBWAは、200人以上の記者や編集者で構成され、新聞、雑誌、オンラインメディアを通じてNBAを定期的に取材・報道している団体だ。今回の選出方法は、50人以上のノミネートから、PBWAのサブコミッティが25人に厳選。そこから全会員による投票で、ファーストチーム票には2ポイント、セカンドチーム票には1ポイントが与えられ、集計された。

　PBWAによると、カリーとデュラントは、PBWA会員による投票で最上位の得票を得たという。

　シューターの史上最高傑作は、勝利への貪欲さや、将来像といった抽象的なテーマを自分の言葉で噛み砕き、聞き手が引用しやすく語る。また、今シーズンはNBA Rakutenの佐々木クリス氏からディフェンスを読む力について記者会見で問われた際に、ロジカルに解説していたシーンも印象的だった。

　デュラントも会見の場では聞き手の耳に残るコメントが光る。ブルックリン・ネッツへの凱旋時には、古巣で過ごした時間について聞かれると「もしもを考えるのは無意味だと思う。また彼らとプレーできるのが楽しみだ」と返答し、次の世代を担うビクター・ウェンバンヤマ（サンアントニオ・スパーズ）についても「彼は史上最高クラスになる道を歩んでいる。リアルタイムの経験を通して学び続けることだけだ」とエールを送っていた。

　アデトクンボは、2023年のプレーオフ敗戦後にシーズンを「失敗」とされた際のリアクションが象徴するように、敗戦会見でもネガティブに傾くことがなく、常にリーダーとしてチームを鼓舞している。また、ミッチェルはコート上での学びを会見の場に落とし込むことも少なくなく、グリーンはファンの話題となる率直で大胆な発言で注目を集めるなど、納得の選出となった。

　オールインタビューチームは、今後もマジック・ジョンソン賞やルディ・トムジャノビッチ賞、ブライアン・マクインタイア賞など、メディア対応に関連するアワードと並列して扱われることとなる。

　なお、セカンドチームにはマイク・コンリー（ミネソタ・ティンバーウルブズ）、タイリース・ハリバートン（インディアナ・ペイサーズ）、バム・アデバヨ（マイアミ・ヒート）、ジョシュ・ハート（ニューヨーク・ニックス）、デイミアン・リラード（ミルウォーキー・バックス）が選出されている。

文=Meiji