2025.06.05

ファイナル進出のサンダーとペイサーズ…両チームの主軸獲得に不可欠だったトレードとは?

ペイサーズのハリバートン(右)と元ペイサーズのジョージ(左)[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

 NBAの2024-25シーズンにおける頂上決戦が、6月6日(現地時間5日)から幕を開ける。今年はウェスタン・カンファレンスからオクラホマシティ・サンダー、イースタン・カンファレンスではインディアナ・ペイサーズが勝ち上がり、両チームが「NBAファイナル2025」で激突する。

 サンダーにはMVPのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(SGA)、オールスターのジェイレン・ウィリアムズ、ビッグマンのチェット・ホルムグレン、ペイサーズには複数回のオールスター選出経験を持つタイリース・ハリバートンパスカル・シアカム、さらにはマイルズ・ターナーアンドリュー・ネムハードといった選手たちが在籍している。

 サンダーとペイサーズは「NBAプレーオフ2025」をともに12勝4敗で駆け抜けているのだが、両チームの主軸は意外にも“ある選手のトレード”を機に移籍してきたことで注目されている。

 その名はポール・ジョージ(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)。2010年のドラフト1巡目10位でペイサーズから指名された男は、キャリアを重ねてオールスターへ成長し、2013、2014年に2年連続でペイサーズをカンファレンス・ファイナルまで導き、マイアミ・ヒートと激闘を演じた。

 2017年7月にペイサーズはジョージをサンダーへ放出し、ビクター・オラディポドマンタス・サボニス(現サクラメント・キングス)を獲得。2022年2月にはサボニスを絡めたトレードでキングスからハリバートンらを獲得している。

 その後ジョージはサンダーでラッセル・ウェストブルック(現デンバー・ナゲッツ)と2シーズンをプレー。在籍2年目の2018-19シーズンには平均28.0得点8.2リバウンド4.1アシスト2.2スティールをたたき出し、MVPと最優秀守備選手賞(DPOY)の投票でそれぞれ3位に入り、オールNBAファーストチームとオールディフェンシブファーストチームに名を連ねた。

 当時リーグ最高級の実力者だったジョージは、2019年7月のトレードでロサンゼルス・クリッパーズへ移籍。この時サンダーが見返りとして獲得したのがSGAとダニーロ・ガリナーリ、複数のドラフト指名権。しかもこの取引で獲得した指名権で現在2番手を務めるウィリアムズを2022年のドラフト1巡目12位で指名していた。

 ハリバートンがペイサーズへ加入したのはキャリア2年目の途中、SGAがサンダーへ移籍したのは1年目を終えた直後だったとはいえ、リーグ屈指の万能戦士ジョージを手放す見返りとして、両チームが有力な選手を獲得し、彼らを中心に据えて強力なチームを作り上げたと言っていいだろう。

NBAの関連記事