2025.09.17

レブロン・ジェームズがNBA以外のリーグでプレーする可能性…憶測が入り乱れるキングの未来

NBA以外でのリーグでプレーする可能性が示唆されたレブロン[写真]=Getty Images

 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、40歳という年齢さえ考慮しなければ、今後10年以上プレーできるような状態にあるだろう。しかし、現地メディアではレイカーズとの現行契約が満了する今シーズンが、レブロンのラストイヤーになるのではないかと囁かれている。

 NBAの著名レポーターであるブライアン・ウィンドホースト記者は、自身のPodcast番組『Brian Windhorst & The Hoop Collective』において、現在のレブロンを取り巻く状況と今後のキャリアについて言及。その過程で、レブロンがNBA以外のリーグでプレーする可能性を示唆した。

「『これが最後の年かもしれない』、『これが最後の年かもしれない』といった声をずっと耳にしています。だが、見てください。彼は他のリーグでプレーする可能性があるとも言われていますよね。どうなるかは分かりませんが、もしかしたらです。ですが、もし健康を保てるならば、レブロン・ジェームズが衰えるとは全く思いません」

 衰え知らずであることは、そのスタッツが証明している。昨シーズンは1試合平均24.4得点7.8リバウンド8.2アシストを記録。フィールドゴール成功率は5年連続で50.0パーセントを超え、3ポイント成功率37.6パーセントもキャリア平均以上だった。結果として、レブロンはNBAオールセカンドチームに選出され、MVP投票でも6位にランクイン。まだタンクには十分にガソリンが残っているように思える。

 しかし、5260万ドル(約77億1000万円)を受け取る2025-26シーズンの契約を最後に、その未来は不透明となっている。リーグで成し遂げるべきことは全てやり遂げ、今シーズンを終えれば、公言していた「23シーズン、プレーしたい」というマイルストーンも達成される。また、息子ブロニー・ジェームズと最高峰の舞台でコートをシェアする夢も叶え、球団にはルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)という後継者もおり、いつシューズを脱いでも現役生活に後悔はないはずだ。

 ウィンドホースト記者によれば、レブロンの将来は、衰えよりも同選手がこの過酷なサイクルを続けたいかどうか、すなわち彼の“心”に結びついているという。年々準備を怠らず、大きなケガをすることなくキャリアを全うする姿勢と精神力は驚異的だが、すでにレブロンの頭には「次に何をするか」という問いが駆け巡っている。

 そのひとつの選択肢が、他リーグでプレーを続けることだ。この憶測にはレブロンのビジネスパートナーであるマーベリック・カーターが関係している。今年はじめ、カーターは投資家グループに助言し、50億ドル(約7320億円)を集めて、NBAに対抗するリーグを立ち上げようとしていると報じられた。そのフォーマットはF1のようなワールドツアー形式で、男子6チームと女子6チームが世界の主要都市を舞台に戦い、選手に株式を提供するという全く新しいコンセプトとされている。ニコラ・ヨキッチの代理人を務める著名な欧州エージェント、ミシュコ・ラズナトビッチ氏は「2025年の夏は、2026年秋に向けた大きな計画を立てるのに最適な時だ」とSNSに投稿し、資金調達や物流が整えば、2026年の開幕を目指す可能性を示唆していた。

 もうひとつ可能性のあるリーグとして、水面下で計画が進行中のNBAヨーロッパはどうだろうか。NBAの欧州リーグ設立はコミッショナーのアダム・シルバー氏も公の場で度々言及しており、実現に向けて一歩一歩足取りを進めている。しかし、NBAが2027-28シーズンまでヨーロッパにおけるレギュラーシーズンの開催計画を正式に発表していることから推測するに、この壮大な夢物語が直近の数年で実現するとは考えづらい。もちろん、レブロンがNBAヨーロッパの開幕シーズンでプレーすることになれば、話題性と注目度は計り知れないが、本人のここ数年の発言からはそれまで現役生活を継続する意志は汲み取れない。

 一方で、とあるNBA幹部は『Lakers Daily』に対し、レブロンが二男のブライス・ジェームズとプレーしたいという“ささやき”を耳にしたと語っている。この幹部はレブロンの成績が大きく落ち込むか、あるいはレイカーズが優勝した場合を除けば、レブロンは2026-27シーズン以降も現役を続行すると考えており、一方で数々のNBA選手を輩出した名門アリゾナ大学に進学したブライスは、NBAドラフト2026にエントリーする資格を与えられる。

 期待と憶測が入り混じるレブロンの未来。キングの心は今、現代バスケットボールの象徴にどんなメッセージを投げかけているのだろうか。

文=Meiji

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