2025.09.26

レブロンは現役最終年に“引退ツアー”希望か…故郷キャブズ復帰の声も

2016年3月10日、視線を交わすレブロンとコービー[写真]=Getty Images

■「派手なフェアウェルツアーを行うだろう」

 優勝争いや大型トレードに匹敵するほどの関心を集めているレブロン・ジェームズロサンゼルス・レイカーズ)の進退。今夏の中国ツアー期間中、メディアの取材で「引退は確実に近付いているが、まだその時ではない」と語ったように、残された時間は決して多くはない。

『Bleacher Report』のヤロン・ワイツマン記者によると、レブロンは自身と近いリーグ関係者に“物語”の重要性を語り、引退時にはマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が経験した静かな幕引きではなく、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)のような全米を巻き込んでのフェアウェルツアーを望んでいるという。

「レブロンが優勝したいのは周知の事実です。稼ぎたいことも分かっています。そして、彼が“すべての中心でありたい”ことも理解されています。私はレブロンとレイカーズについての本を執筆し終えるのに3年を費やしました。その過程で話を聞いた全員が、レブロンが引退を決断した暁にはコービー・ブライアントのような派手なフェアウェルツアーを行うだろうと考えていました」

■語り継がれるファイナルシーズン

2002-03シーズンを最後に引退したマイケル・ジョーダン[写真]=Getty Images


 コービーの引退は、『The Players’ Tribune』で公開された選手から自身に宛てた手紙「Dear Basketball」から始まった。レイカーズのフランチャイズプレーヤーは、ここで「今シーズン限りで引退する」と発表。この手紙は後に短編アニメ映画化され、2018年にアカデミー賞短編アニメ賞を受賞している。

 発表後は、ロードの各アリーナでも“コービー最後の試合”として大歓声を受けた。それは数々の熱戦を繰り広げたボストン・セルティックスやサンアントニオ・スパーズも例外ではなく、TDガーデンのファンたちはコービーのプレーひとつひとつに立ち上がり、フロスト・バンク・センター(当時はAT&Tセンター)ではスパーズのレジェンドたちも登場するトリビュート映像が放映されている。

 一方のジョーダンは、2001年に若手育成を理由に現役復帰を果たしたものの、2003年1月にシーズン限りの引退を表明。公式に演出された引退ツアーこそ開催されずにジョーダンは淡々とした雰囲気で引退へと向かっていったが、各地でスタンディングオベーションを受けるなど、ファン、選手、チーム関係者からの感謝と敬意を受け取っている。

■最後に選ぶチームは?

レブロンは今年12月に41歳の誕生日を迎える[写真]=Getty Images


 レブロンは今夏、ダラス・マーベリックスへの移籍の噂も報じられたが、ワイツマン記者はレブロンがフェアウェルツアーを開催するなら現所属のレイカーズ、またはクリーブランド・キャバリアーズしか考えられないとの見解を示している。

 レイカーズとの現行契約は2025-26シーズン限りで、レブロンは今夏に契約延長をせず、5260万ドル(78億7900万円)のプレーヤーオプションを行使した。ロブ・ペリンカゼネラルマネージャーはメディアデーにおいて、球団の意向はレブロン自身が物語を選択することだと明かしている。

「レブロンと彼の将来に関して我々がしたいことは、彼が何年プレーを続けるかという点において、家族とともに彼自身の物語を選ぶ権利を全面的に尊重することです。彼はその権利を獲得しました。レブロンがレイカーズで引退することになれば、それは素晴らしい物語になるでしょう」

 一方で、ワイツマン記者が話を聞いた別の幹部は「コービーのようにフェアウェルツアーをするなら、キャブズ以外に考えられない」と語っている。レブロンにとって、キャバリアーズは故郷。地元オハイオ州に本拠地を置き、NBAデビューを果たした球団であり、共に優勝も経験。キャリアを締めくくるうえでレブロンが再びキャバリアーズに帰還することは、エピローグとしては最も美しいシナリオとなるだろう。

 20年を超える長きキャリアの終着点に、レブロンはどの地を選ぶのだろうか。

文=Meiji

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