2025.12.03
ザイオン・ウィリアムソンが激変した。肉体も、精神面も――。
ニューオリンズ・ペリカンズは2025-26シーズンの開幕に先立ち、メディアデーを開催。そこには、かつてレブロン・ジェームズの後任とまで言われた才能であるザイオンの姿があった。マイクの前に現れた背番号1を一目見て、多くの記者たちが驚いたに違いない。ザイオンのフォルムは見違えるほど引き締まり、その姿は今夏にシェイプアップしたルカ・ドンチッチ以上に衝撃的だった。
無論、それはコンディションにも反映されている様子だった。記者から現在の状態を問われたザイオンの第一声からは清々しさと程よい緊張感が感じられた。
「すごくいい感じだね。この夏の焦点は、ジョー(・デュマース球団社長)やトロイ(・ウィーバーゼネラルマネージャー)との関係を築き、バスケットに集中することだった。たくさん映像を見て、T・スプーン(テレサ・ウィザースプーン)とも多くの時間を過ごしたよ。ジョーは見た通りの人だ。僕に責任を求め、大きな役割を与えてくれる。それが楽しみで仕方ないね。高い基準を課されるのは分かっているし、もし僕が気を抜いたら、彼はすぐに正しい道に戻してくれるだろう」
その発言は、ペリカンズからの移籍を希望していた数シーズン前のザイオンとは大違いだった。今年4月に球団社長に就任したデュマースは、“バッドボーイズ”時代のデトロイト・ピストンズに規律をもたらした紳士的なプレーヤーであり、フランチャイズプレーヤーとして2度の優勝を経験。そんなレジェンドに、ザイオンは大きな信頼と畏怖を抱いている。
「男同士の会話をしたんだ。彼らは僕を受け入れてくれたし、僕も『絶対に失望させない』と伝えた。彼らが本気で信頼してくれるのは大きい。時には『これはジョー・デュマースなんだ』と思う瞬間もある。NBAチャンピオンで、ファイナルMVP、バッドボーイズの一員でもあった人だからね。そんな彼と同じ視点でゲームを語れるのはすごく刺激的だよ。(スクリメージも)ジョーが持ち込んだエネルギーで、全員が真剣に取り組んでいる。柔なことは許されない。バッドボーイズと同様、泣き言はなし。ただやるだけだ」

(左から)ハーバート・ジョーンズ、ジョーダン・プール、ザイオン・ウィリアムソン[写真]=Getty Images
ザイオンはこの夏に導入した新たなトレーニングが変化をもたらし、プロ入り後、最高の状態にあると自信を示した。
「ペリカンズのトレーナー、ダニエル・ボーヴに感謝している。昨年ハムストリングをリハビリしていた時、一緒に新しいプランを計画したんだ。ボクシングやフットボールフィールドでのトレーニングなどを取り入れて、去年のその時期から、僕は自分の身体が本当に変化していくのを感じたんだ。彼を見て『ああ、気分がいいって気持ちが良いことだ』と思うようになった。大学や高校時代以来、このように感じたことはなかった。ジムを歩くだけで気分がいいと思えるようになった」
自身のコンディションや球団からの信頼に大きな変化が見られるザイオンだが、新たなチームメートたちにも興奮している様子だ。ブランドン・イングラムやCJ・マッカラムといったベテランたちが去ったことにより、今後のザイオンにはリーダーとしての役割が求められている。しかし、今のザイオンに不安はなく、振る舞いや発言から多くの学びを得たマッカラムに対して感謝を述べると同時に、ゴールデンステイト・ウォリアーズで優勝を経験したジョーダン・プールとケボン・ルーニーを歓迎した。
「彼らの経験は大きいよ。チャンピオンとしてプレーオフを戦い、そのエネルギーを知っている。そういう経験はどこでも得られるものではないからね。ルーニーは“アイアンマン”だ。リバウンドは運ではなく、戦略的に計算されたもの。彼から多くを学びたいと思っている。プールについては、トランジションでのケミストリーが楽しみだね。速い展開で一緒にプレーできることにワクワクしているよ」
これまでも出場すればコートを支配するザイオンの実力に、疑いを示すものはいなかった。唯一の懸念はケガと不安定なコンディションだったが、デュマースのメンタリティを宿した現在のザイオンは、鬼に金棒の状態だろう。
新シーズンのペリカンズに対する期待は、このメディアデーで一躍膨らんだ。怪物は静かに闘志を燃やし、大暴れの時を待っている。
文=Meiji
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