2023.09.07

エースの不調をカバーしたワグナー兄弟…モリッツは弟の復帰に「仲間としてうれしい」

弟・フランツの復帰に笑顔を見せた兄・モリッツ[写真]=fiba.basketball
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 9月6日にフィリピンのモール・オブ・アジア・アリーナで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」決勝トーナメント準々決勝が行われ、ドイツ代表(FIBAランキング11位)とラトビア代表(同29位)が激突した。

 前半からリードチェンジが多発する接戦を繰り広げた両チーム。ドイツはエースのデニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)が不調も、36-34と2点リードで試合を折り返す。第3クォーターも拮抗した戦いが続いたが、第4クォーターでドイツはフランツ・ワグナー(オーランド・マジック)らが連続得点を挙げ、リードを2ケタまで拡大。終盤にはラトビアに3ポイントシュートで詰め寄られたものの、最終スコア81-79で勝利をつかんだ。

 準決勝進出を決めたドイツは、試合後の記者会見にモリッツ・ワグナー(マジック)、ヨハネス・ティーマン、ゴーディー・ハーバートヘッドコーチが出席。今大会の1次ラウンド初戦で足首を負傷するも、復帰戦となったこの試合でチームハイ16得点を挙げた弟・フランツについて、12得点4リバウンドを記録した兄・モリッツは「正直、チームメートとしてうれしいよ」と満足気に話した。

「兄として、彼が笑っていること、安心していることがうれしい。いつ復帰できるか分からないケガは、精神的に追い込まれてしまう。彼がこうしてプレーし、好きなこと、得意なことをやっているのを見られて、本当に素晴らしいと思う」

16得点8リバウンド3アシストをマークした弟・フランツ(中央)[写真]=fiba.basketball

 中堅フォワードのティーマンも、ベスト4進出には「最高の気分だよ」と笑顔を見せる。ラトビア戦ではフィールドゴール(4本)、フリースロー(2本)の成功率でともに100パーセントを記録するなど、貴重な得点源としてチームを支えた。

「完璧な試合だったとは思わないけど、ベンチからチームを助けるために、自分がそこで背中を押すことができて最高だ。母国のバスケットボールにとって、代表チームが成功することは重要な意味を持つ。昨年の『FIBAユーロバスケット』は準決勝で敗退してしまったから、今年はその雪辱を果たしたいね」

効果的な働きでチームをけん引したティーマン(中央)[写真]=fiba.basketball

 また、ハーバートHCは対戦相手のラトビアを「彼らを称えてほしい。彼らは素晴らしいバスケットボール、チームバスケットを展開し、かなりコーチングされている」と賞賛。シュートが絶不調だったシュルーダーについても「立ち直るのは間違いない」と、全幅の信頼を寄せている。「逆境は強さを生む。今日はかなり厳しい戦いだったが、彼はタフな選手で、とても競争心が強い」。

 決勝進出をかけ、次戦でアメリカ代表(同2位)と対戦するドイツ。準々決勝でイタリア代表(同10位)を100点ゲームで破るなど、徐々に調子を上げている“スター軍団”は手強い相手になるだろう。ドイツはラトビア戦で得た勢いのまま、ファイナルへの切符をつかめるだろうか。

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