2018.05.15
京都ハンナリーズから移籍の小島元基は、9月の関東アーリーカップにおいて、同じく今シーズンからアルバルクのジャージを着る安藤誓哉とともにチームの司令塔を任された。しかし、開幕前の練習で右腸腰筋を痛め、大阪で行われたリーグ開幕戦にはチームに帯同したものの、ベンチから試合を眺めるしかなかった。
その小島がついにリーグ戦デビューを果たした。この試合は新たにアルバルク東京のホームアリーナとなった『アリーナ立川立飛』のこけら落としであり、横浜ビー・コルセアーズとの一戦。ただ小島は2試合で約32分のプレータイムを得るも10得点を挙げるにとどまり、小島本来のプレーを取り戻すにはまだ少し時間がかかりそうだ。
それでもルカ・パヴィチェヴィッチHCは、この日の小島のパフォーマンスに及第点を与えた。
「実は前節の新潟戦から出しても大丈夫なくらい回復していたのだが、この試合(横浜戦)を目指して準備させていた。彼はハードワーカーなので、まずは試合に出られて良かったと思っている。今後もいいリズムでプレーをしてほしい。小島はオフェンスを組み立ててくれるプレーヤーだ」
試合後、小島に話を聞くと反省しきり。一番の理由は、横浜の執拗な2-3のゾーンディフェンスに対するアタックに関してで、思いどおりのオフェンスを組み立てられなかったという。確かに後列の真ん中に身長221センチのハシーム・サビート・マンカを配して、インサイドをがっちり固める横浜のゾーンは威圧感がある。それに面食らったところもあった。とはいえ、対戦チームは遮二無二相手の弱点を突いてくる。PGが移籍してきたばかりのA東京であれば、ゾーンディフェンスで揺さぶるのは想像できる戦術だ。その洗礼を小島は受けたことになる。
「プロに入って、あれだけ長い間、ゾーンに対峙したのが初めてだったので(笑)。今日の出来は本当に良くなかったです。自分からもっと(シュートを)打っていってもよかったかもしれませんね。セットプレーに固執しすぎた感があり、もっと自分でプレーをクリエイトする方法もあった」
開幕戦から試合に出られなかったことで、勢いに乗るチームと「一緒にリズムに乗れなかったのが嫌な感じだった」と振り返る小島。ましてや、これまで見たことのないゾーンを前に迷いながらのプレーでは状況を打開できない。あえて良かった点を挙げてもらったが、それは自身の持ち味であるディフェンスに関してで、こちらは「まずまずの出来」だったという。
また、移籍してきたA東京の印象のこのように語ってくれている。
「(以前所属していた)京都で試合した時も強いと思っていました。いざ、チームに入って、ポイントガードの自分が迷っていてはいけないなと感じています。一番印象的なのがベテランの人たちが率先してコミュニケーションを取っていること。歴史のあるチームはやっぱり違うなって」
そのチームの司令塔として、きっちりメンバーを操縦するにはまだ時間はかかりそうだ。しかし、開幕前のアクシデントを払しょくさせ、これからはチームとともに成長していかなければならない。ただちょっと困っているのが普段の生活…
「人が多くて慣れません。車も多いし。でも東京での生活は嫌いじゃないですよ。近くに友達もたくさんいるので、今度はみんなの前できっちりを決めたいと思います」
チームは第3節を終えて5勝1敗と、強豪ぞろいの東地区にあって首位に立っている。小島もチームの勢いに乗り遅れるわけにはいかない。
文=入江美紀雄
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