2018.05.01
「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」の進出を決め、リーグ連覇のチャンスをつかんだ、栃木ブレックス。4月28日にホームのブレックスアリーナに迎え撃ったのは、サンロッカーズ渋谷。ここから始まる絶対に負けられない戦いに挑むものと、自分たちのプライドをかけて戦うものとの一戦。
「ディフェンスの強度」という言葉が、ゲームの雌雄を決する形となった。両チームのヘッドコーチがゲーム後の記者会見にてともに口にした言葉なのだが、その強度をコート上で発揮したのが栃木であった。
第1クォーター序盤は、SR渋谷が持ち味としている早い展開からジョシュ・ハレルソンを中心に得点を重ねていき、一進一退の攻防を繰り広げていく。その中で栃木のディフェンススイッチを最初に付けたのが、鵤誠司であった。残り2分に持ち味のフィジカルの強さからスティールをすると、そのままファイトブレイクで得点。このワンプレーでチームのディフェンスへの意識が一気に上がる。これが第2クォーターの我慢の展開へとつながるのであった。
その第2クォーターは両チームともタイトなディフェンスを展開し、SR渋谷の広瀬健太のリバウンドタップシュートが開始1分32秒に決まってから約5分間は得点が動かず。この展開を打開したのが栃木の渡邉裕規、残り3分からは彼の代名詞“ナベタイム”がスタート。2本の3ポイントシュートを含む6得点に加え2アシストと活躍し、リードを2ケタに広げた。SR渋谷は大黒柱のロバート・サクレが栃木ディフェンスに完璧に抑えられ、前半0点となりこのクォーターでのスコアは12-5となり、33-22と栃木リードで前半を終了した。
後半に入っても栃木のディフェンスの強度は全く落ちない。選手の組み合わせをコート上で色々と試しながらも、タフでフィジカルなディフェンスを展開。その中でSR渋谷も前半なかなか出なかったボールを持った選手が自らドライブで仕掛け、オフェンスを活性化しようとしていく。第3クォーター残り2分半には山内盛久が果敢にルーズボールに飛びこみ、会場から大きな拍手が沸き起こるなど、両者の熱いプレーに会場のボルテージが上がっていく。
第4クォーターになると栃木が一気に猛攻を仕掛け、一時は20点近くリードを広げていく。終盤SR渋谷も追いあげるが追いつくことはできず、最終的には71-55で栃木の快勝で終了した。
SR渋谷の勝久ジェフリーHCが「相手のフィジカルなディフェンスに苦しんだ、明日はそれを超えるプレーを展開したい」と言えば、栃木の安齋竜三HCは「全体的には良いディフェンスができたが、チャンピオンシップに向けて細かい部分を修正して戦いたい」と語ったように、第2戦は「情熱的に、強く、激しく」戦ったものが勝利を収めることになるであろう。
文・写真=鳴神富一
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