2018.05.11
5月12日から、レギュラーシーズンを勝ち抜いた8クラブによるBリーグ王座を懸けた激闘、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」が幕を開ける。そこでバスケットボールキングでは、よりチャンピオンシップを楽しんでもらえるよう、さまざまな企画を用意。ここでは同メディアで活動してくれているライター陣とともに、今シーズンにおける各クラブの振り返り、チャンピオンシップに向けての展望を紹介する。
シーズン最終盤までもつれた西地区2位争いを生き残ることができず、京都ハンナリーズはBリーグで迎えた最初のシーズンを西地区4位で終えた。シーズン終了後には日下光(現富士通レッドウェーブコーチ)の引退や小島元基(現アルバルク東京)らの移籍で、豊富だったガード陣が大量に退団。かつて在籍した綿貫瞬を期限付移籍で呼び戻したが、純粋なポイントガードは綿貫と昨季1試合も出ていない伊藤達哉のみ。得点面で大きく期待できるジュリアン・マブンガに加えて日本代表でのキャリアを積み始めた永吉佑也を獲得したとはいえ、不安要素があることは否めなかった。
しかしふたを開けてみれば、第2節で千葉ジェッツを撃破するなど好ゲームを展開した。伊藤がそのスピードで相手ディフェンスを切り裂き、新外国籍選手のジョシュア・スミスは体格を活かしてペイントエリアを支配。川崎ブレイブサンダースでロールプレーヤーだった永吉は、3ポイントを積極的に打つなど幅広い役割を与えられ、水を得た魚のように躍動した。その永吉とともに移籍してきた晴山ケビンもポテンシャルを開花させるなど、新戦力がその期待に応え、第24節で早々に「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」進出を決めている。
チームとしては大差で敗れる試合が時折見られたが、接戦に持ちこむと並外れた精神力を発揮。5点差以内の試合は12勝6敗と、勝負強さが光った。その象徴が岡田優介。シーズンが深まるごとに持ち前の勝負強さはさらに磨きがかかり、第27節と第28節には土壇場で試合をひっくり返すバスケットカウント3ポイントを披露した。
初めてのチャンピオンシップに臨むにあたってポイントの1つとして挙げられるのは、出場停止処分を受けてA東京戦に出場できないスミスの不在をどのようにカバーするかだ。破壊力抜群のスミスのインサイドアタックがないとなれば、次に警戒が集まるのはやはり得点力の高いマブンガだろう。岡田や内海慎吾の3ポイントはもちろんのこと、伊藤や綿貫のコントロールもカギになる。試合運びという点では、浜口炎ヘッドコーチのフィロソフィーを熟知している片岡大晴の存在もここぞという場面で必要になってくるだろう。
チャンピオンシップを戦う8チームのうち、順位の上では5番目の位置づけになる。西地区は3位以下が勝率5割を切り、京都にとって有利に働いたことは確かだが、昨季に比べて格段に地力が増したことも事実。第21節で昨季王者の栃木ブレックスを連破したように、他地区の強豪チームとも対等に渡り合えるところを示さなければならない。
文=吉川哲彦
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