2018.11.07

【インタビュー】出場機会を求めて移籍決断、“若武者”津山尚大が目指すは海外挑戦

琉球から移籍し、今季からライジングゼファー福岡に在籍する津山 [写真]=NIKE
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Bリーグ2018-19シーズン開幕前、アーリーエントリー期間を含む計4シーズン在籍の琉球ゴールデンキングスからライジングゼファー福岡へ移籍した津山尚大。「成長するためにはプレータイムが必要だと思った」。自身の夢でもあるという海外挑戦を目指すため、ポイントガードでの出場機会を求めての決断だった。

2年連続昇格でB1の舞台に上り詰めたチームは、今季開幕7戦目にしてヘッドコーチ交代。主力選手のケガも相次ぎ、第6節までの10試合を終えてB1所属チームの中で唯一の白星なしと不振にあえいでいる。そこで、22歳の若武者に現在のチーム状況や今後の目標について話をうかがった。(記録は10月29日取材時のもの)

インタビュー=酒井伸
取材協力=NIKE

――2014-15シーズンから在籍した琉球ゴールデンキングスを離れ、今季から福岡に所属しています。改めて、移籍の理由を教えてください。
津山 22歳になって、海外へ行くという自分の夢を叶えるためには、1番(ポイントガード)のポジションで勝負しなければ厳しいと思いました。もちろん、キングスでも成長できますが、今、自分の中でどれがベストな選択なのかなと。成長するためにはプレータイムが必要だと思ったので、出場時間をもらえた上でポイントガードでプレーできるチームを探していました。その中で一番熱く誘ってくれた福岡に移籍することを決め、チームからも「ポイントガードとしてしっかり使う」と言ってもらえて、今は思いきりプレーできています。

――2番(シューティングガード)ではなく1番にこだわる理由は?
津山 海外でプレーするには、2番だけでなく、1番のスキルも習得しなければいけないと思ったからです。また、何度か日本代表合宿にも呼んでいただきましたが、チームの様々なフォーメーションや特徴がある中、1番ポジションでは自分の持ち味である得点能力や思いきりの良さを発揮できないことがありました。そこで今季は1番ポジションでコントロール力をつけつつ、自分の良さを出していくことを意識しています。

――早くも10試合が終わりました。開幕戦で8得点3アシストと数字を残しましたが。その後3試合連続無得点。ここ最近は6試合中5試合で2ケタ得点と調子を上げているように見えます。
津山 栃木(ブレックス)との開幕戦では手応えがあって、「いい感じかな」と思っていました。第2戦から第2節の大阪(エヴェッサ)戦までの3試合は無得点に終わってしまいましたが、第3節の名古屋(ダイヤモンドドルフィンズ)戦からは失敗してもいいから自分の持ち味を出していこうと切り替えました。山下(泰弘)選手と石谷(聡)選手の同じポジションの2人とは違うようなポイントガード像を見せられるように、と思っていました。思いきりプレーした結果、チームとしてもようやくいい感じになってきたので、今週の京都(ハンナリーズ)戦も積極的にプレーしたいです。

――新しいチームに馴染んでいる中、10月24日の試合からヘッドコーチが代わっています。チームの雰囲気はいかがですか?
津山 本当に前向きで、どんな状況でもブレずにやっていこうという思いが選手にはあります。ベテラン選手が多い分、落ち着いていて、一気に崩れることもないです。また、選手同士で話し合って、苦しい状態だけどお互いを信じてやっていこうと。

――昨日の名古屋D戦(10月28日)は最後の最後まで粘って、同点で迎えた試合終了残り4秒に決勝のバスケットカウントを決められました。
津山 緊迫した場面で久しぶりにコートに立てて、とても悔しかった一方で学ぶことも多くて。どうしたら自分がチームを勝利に導けるか考えた時、もう少しセットプレーのコールを考えるなど課題が見つかりました。負けてしまいましたが、落ちこまずに次の試合につなげることができると思っています。

――10月の10試合を終え、11月も9試合と連戦が続きます。
津山 チーム内ではケガ人が多く、今は外国籍選手1人、日本人選手3人が離脱しています。連戦で、なおかつベテラン選手も多いので、体力的にキツイです。しかし、それを言い訳にしないでフレッシュにがんばろうと思っています。

第6節終了時点で平均7.6得点と、ここ2シーズンを上回るペース [写真]=B.LEAGUE

――福岡大学附属大濠高校時代以来、約3年ぶりに過ごす福岡はいかがですか?
津山 高校時代にお世話になった方々や友達から連絡をもらって、「よく福岡に来てくれたね」、「絶対に試合を見に行くよ」、「本当に楽しみにしてるよ」などと言ってもらいました。それらの言葉をモチベーションにして、自分の成長した姿を見せるということを意識してがんばっています。

――福岡はバスケどころとしても有名です。
津山 ライジングはまだまだ人気が足りないと感じていて、何度もアリーナに足を運んでもらうためには「試合を見に来て良かった」、「あの選手をまた見たい」と思ってもらえるようにしたいです。

――レギュラーシーズン残り50試合、ここから巻き返すためには何か必要ですか?
津山 日本人選手の活躍とディフェンスの安定力です。外国籍選手に頼るのではなく、日本人選手がしっかりと点を取って、1点でも2点でも上げていけるように戦っていきたいですし、安定したディフェンスから速攻に持っていければ得点機会も増えると思っています。

――個人的としての目標を聞かせてください。
津山 1試合平均で2ケタ得点を取って、ポイントガードとして残りのシーズンを戦い抜きます。

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