2021.03.31

MVPを獲得した名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15の永里叶多「自信を持ってプレーすることができて良かった」

決勝では、決勝点となるフリースローを決めた名古屋U15の永里[写真]=伊藤 大允
フリーライター

「まずはうれしいという気持ちが一番で、その次に付いてきてくれた仲間と、3年間支えてくれたコーチ、身近な存在の家族、すべてに感謝したいです」
 
 3月28日~30日の期間、東京体育館にて行われた「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2021」。その大会を優勝し、感想を問われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15の永里叶多は、しっかりとした口調でこう答えた。

 試合では司令塔としてボール運びやパスなどで仲間のシュートを演出するだけでなく、キャプテンとして、プレー以外でもチームをけん引。「自分は一番声を出さないといけない立場」と、今大会でも常に声を出して仲間の士気を高め、決勝では勝利を決定付けるフリースローを沈めて、チームを日本一へと導き、自身もMVPを獲得した。

「キャプテンという役職に就いたのが初めてで、最初は緊張からなかなか声を出せなかったのですが、その時期に一度、試合に負けたことがあって。そこからどうしたら勝てるのか、どうしたらチームを盛り上げられるのかというのを考え、声を出すことの大切さを学びました」と、永里は大役を務めた1年間を振り返る。

 そもそも、名古屋U15に入団したキッカケは、Bリーグが開幕した年に名古屋ダイヤモンドドルフィンズの存在を知ったこと。「ドルフィンズのバスケットが好きになっていったのですが、ある試合で、マッチデープログラムにユースチームのことが載っていて。それでこのチームでプレーしてみたいなと思いました」と言う。

 もちろん、憧れているのは名古屋の笹山貴哉で、同じ背番号を付けるほど。加えて、「ドルフィンズに新加入した齋藤拓実選手も目指してます」とも語った。

「自分の強みは何かというのを理解することができました。自分の強みは3ポイントシュートですが、それを極めることができました」と名古屋U15での3年間を語った永里。

 最後の最後でつかんだ最高の結果に「1、2年生の時も試合に出せてもらったのですが、チャンピオンシップなどではなかなかいい結果を出せずに悔しい思いをしていました。自分たちの代になり、自分たちがやらないといけない立場となった時に自信を持ってプレーすることができたことが何よりも良かったです」と目を輝かせた。

チームメートがキャプテンの永里を胴上げ[写真]=伊藤 大允

「チームの強みは目指しているのが走るバスケット。そのためにはリバウンドを取ることが大事なのですが、センター陣たちがしっかりリバウンド取ってくれたことが良かったと思います。そこで、自分たちガード陣がシュートを思いっきり打って、点を積み重ねることができたと思います」と冷静に大会を振り返ったキャプテンは、4月から高校生。高校で再び日本一に向けての挑戦を始める。

文=田島早苗

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