2025.08.15
今シーズンをもって現役引退を表明している宮崎早織やデンソーアイリスから移籍で加入した馬瓜エブリン、そして外国籍で196センチのセンター、プレッチェルレインアシュテンと注目の選手がそろうENEOSサンフラワーズ。その中でもう一人、9月20日と21日に行われた「大樹生命 Wリーグユナイテッドカップ 2025-26 EASTグループステージ」で熱視線が注がれたのがガードの田中こころだ。
今夏、中国にて開催された「FIBA女子アジアカップ2025」で日本は準優勝となったが、その大会に田中は出場。トップの女子日本代表としては初選出ではあったものの、全試合でスターターを務めた。
「予選ラウンドは全然ダメだった」(田中)と、アジアカップでの前半戦は自身の納得のいく動きではなかったが、決勝トーナメントでは準決勝で27得点を奪取。地元の中国代表を撃破する立役者となった。惜しくも決勝ではオーストラリア代表に敗れたが、その試合でも21得点をマーク。終わってみれば大会のオールスター5にも選ばれた。
そんな飛躍の夏を過ごした田中にとって、所属するENEOSで今シーズン初の試合となったのがユナイテッドカップ。田中はバックアップメンバーとして途中から出場すると、SMBC SOLUAとの1回戦では7得点3アシスト、続くプレステージインターナショナル アランマーレ(アランマーレ秋田)との2回戦では得意とする3ポイントシュート3本を含む11得点を記録した。

[写真]=W LEAGUE
「自分の持ち味である3ポイントシュートを決められたのは良かったと思いますが、ミスも多かったので、試合をしながら修正していきたいと思います」
現在はENEOSの選手として活動に専念する毎日で、「今はディフェンスの守り方だったり、オフェンスのセットプレーなどENEOSとしての動きに慣れていかないといけないところです」という。加えて、「その中でも自由に攻める状況のときは、どれだけ自分がアグレッシブにできるかが大事になってくると思っています」と、田中らしい積極果敢なオフェンスにも意欲を示している。
日頃の練習では、アジアカップで出た課題を元にそれまで以上に様々なシチュエーションでの3ポイントシュート練習を取り入れており、「シュートフェイクからワンドリブルでシュート打つという動きは、バランスが崩れがちになります。でも、そういった練習もしていて、それで試合でもタフショットを決めることができているのかなと思います」と、手応えも感じている。
今シーズン、ティム・ルイスヘッドコーチからは毎試合20得点を求められているとのことで、田中はその実現に向けたポイントに『安定性』を挙げる。

[写真]=W LEAGUE
日本代表での活躍もあり、今シーズンはなかなか簡単に田中が点を取る状況にはならないだろう。だが、「20点取れというよりは、20点取るぐらいの気持ちでリングにアタックしてほしいということだと解釈をしています。もちろんリングにアタックできるときはしますが、絶対にディフェンスが寄ってくるので、そこでどれだけアシストを確実にできるかが今シーズンの課題だと思います」と、田中に気負いはない。
10月18日の2025-26シーズン開幕。ENEOSは田中の出身地である大阪でシーズンのスタートを切る。しかも会場の岸和田市総合体育館は、田中の地元の堺市からも近いという。

[写真]=W LEAGUE
こう声を弾ませる田中は、注目を浴びれば浴びるほど燃えるタイプ。
「もっともっといっぱい観客が来てくれた方がうれしいです!」
心待ちにしている2年目のシーズンでどのようなプレーを見せてくれるのか。怖いもの知らずの19歳から目が離せない。
取材・文=田島早苗
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