2025.09.27

脱ネガティブ思考「気持ちの持ち方次第」シャンソンの峰晴寿音が新天地で“心技”磨く

「シャンソンが成長する機会を与えてくださって本当に感謝しています」という峰晴[写真]=Wリーグ
フリーライター

 9月21日、『大樹生命 Wリーグユナイテッドカップ 2025-26 EASTグループステージ』の2回戦にシャンソン化粧品シャンソンVマジックが登場。その試合でスターターを務めたのが今シーズンより移籍で加入した峰晴寿音だ。

 日立ハイテククーガーズと対戦した試合は、第1クォーターのリードがわずか3点だったが、第2クォーター以降はジリジリと点差を広げ、最後は追いすがる日立ハイテクを振り切って75-66でシャンソンが勝利。峰晴は約35分の出場で11得点を奪取した。

「シャンソンに来て、こうして試合に出られる喜びというか、本当に改めて自分がバスケットが大好きなんだなということを感じていますし、すごく期待していただいて、ありがたいなという気持ちがあります。上の方たちがすごい選手ばかりで、そこにしっかりついていき、チームの勝利にもっと貢献していきたいという気持ちです」

 シャンソンの一員として公式戦デビューを飾った峰晴は試合後、このようにコメントした。

 峰晴は、体の強さがありプレーの幅も広いポイントゲッター。大阪薫英女学院高校から全国大会で活躍し、大阪人間科学大学を経てアイシンウィングスに入団した。そのアイシンで2シーズンをプレーした後にトヨタ紡織サンシャインラビッツへ移籍。トヨタ紡織では1シーズンを過ごし、そして今シーズンよりさらなる飛躍の場を求めてシャンソンへと加入した。

 アイシンではアーリーエントリーの頃から出場機会を得るなど主軸を担い、1試合の出場時間も25分前後を得ていたが、昨シーズンのトヨタ紡織では1試合平均約10分に留まった。

 それでも、峰晴自身は「トヨタ紡織では思うように試合に出られなかったのですが、バスケットの知識や考え方というのはルーカス・モンデーロヘッドコーチを含め、トヨタ紡織の選手たちからすごく学ばせてもらいました」と言う。さらに「苦しさも学びもあったからこそ、こうして今があります」とも強調した。

[写真]=Wリーグ


 様々な経験を積んだ峰晴は、「私はどちらかというとネガティブというか、できなかったことに目を向けがちになってしまいます。でも、自分の気持ちの持ち方次第でいいプレーができたりできなかったりすると思っていて、気持ちが技術を超えるというか、そういう気持ちのある選手たちがたくさんいるのがシャンソンだなと思っています」と語る。

 さらに「まずはいい考え方を自分自身で意識するとこと。それが無意識にできるようになって次にまたいいプレーへとつながるように。やっぱり気持ちが大事なんだというのはいろいろなチームで経験させていただいたからこそ感じています」とも話した。

 心の持ち方については、個人でメンタルのトレーニングもしているようで、「自分は気持ちの面で浮き沈みがあり、『気』の持ち方から変えないといけないと思っていたので、シャンソンに入るタイミングで新しい挑戦をしよう思って始めました。そこでもしっかり学び、結果を出したいです」と意気込む。

 また、プレーに関しては「3ポイントシュートもそうですが、もっとピックを使ったアタックやポストアップなどいろいろなことに挑戦して得点に絡むようにと(ヘッドコーチの)小笠原(真人)さんからは言っていただいています。ディフェンスでも3番ポジションはいい選手がたくさんいて、点に絡むような選手も多いので、そこに対してもっとアグレッシブに自分から仕掛けるディフェンスをと言われてるので、そこも改善していけたらと思っています」と、課題も明確だ。

 日立ハイテク戦後は、「苦しい場面で上の方たちに任せっぱなしというか、自分が逃げちゃった部分があったと感じています。そこは開幕までにプレーも気持ちの面でも、強く逃げずに戦えるようにしていきたいです」と、反省の言葉を口にしたが、一方で、「できないことも多いのですが、ヘッドコーチが期待してくださってるのも感じますし、厳しくしていただいてるのでそこに応えたい。改めてバスケットが楽しいと感じていて、だからこそ、できたこともできなかったことも前を向いてやれているのかなって思っています」と、目を輝かせる。

 自身に向き合い、そして成長するために真摯に取り組む峰晴。ユナイテッドカップ連覇、そして2005-06シーズン以来となるWリーグ優勝を目指すチームにおいて、26歳のスモールフォワードは今シーズンのキープレーヤーとなるかもしれない。

[写真]=Wリーグ


取材・文=田島早苗

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