アジアカップでベスト5に選出された田中こころ「チーム全員で取った賞」

　7月20日、中国で開催された「FIBA 女子アジアカップ 2025」で、女子日本代表は決勝まで進出。オーストラリア代表と対戦し、後半に粘りを見せたが79－88で惜敗した。

　大会を通して非凡な得点力を見せ、大きなインパクトを残した19歳の田中こころ（ENEOSサンフラワーズ）が決勝戦を終えインタビューに答え、試合とアジアカップを振り返った。

　決勝のオーストラリア戦でも21得点をマークし、チームをけん引した田中は、「前半は流れが良くなくて、セットオフェンスをしっかりと組立てようと言っていた。髙田（真希）さんや宮澤（夕貴）さんがいいところで3ポイントを決めてくれて、全員がアグレッシブにプレーしたので後半の粘り強い追い上げにつながったと思います」と振り返り、自身のプレーについては「前半はアグレッシブに攻めて得点ができましたが後半に得点が止まってしまい、その時間帯に相手にやられてしまったので、後半もアグレッシブに攻めることができれば、勝敗も変わったかもしれません」と、悔しさを滲ませた。

　試合を重ねるごとに成長が見えた田中は、予選のオーストラリア戦で10得点をマーク。そこで得点を狙いにいく大切さに気づいたという。「ポイントガードだからといって周りにアシストばかりするだけでなく、得点を狙いにいくことで日本らしいバスケットができた部分もあるので良かったと思います」

　中国との準決勝では27得点をマークし勝利に貢献し、次世代の女子日本代表を背負う存在になった田中は、「自分のプレーがうまくいかなくて下を向いてしまっても、宮澤さんたちが大丈夫だと声をかけてくれました。それで何度も切り替えることができたので先輩たちには本当に助けられました。自分一人では勝てなかった試合もありましたし、周りのチームメートやスタッフに助けられました」と、感謝の気持ちを忘れていない。

　大会6試合に出場し、1試合平均14.8得点5.5アシストをマークした田中は、大会ベスト5にも選出された。「素直にうれしいですけど、本当に自分だけの力ではないと思っています。みんなが私にボールを集めてくれたおかげでもありますし、コーチも思い切ってプレーしていいよと言ってくれました。本当に一人では取れなかった賞だと思ってるので、私だけの賞というよりは、チーム全員で取った賞だと思ってます」

　アジアカップの舞台で、その実力が大きく開花した田中。今後も日本代表を勝利に導いていくことができるか注目だ。