2026.05.23
5月23日、横浜アリーナにて「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」ファイナル第1戦が行われ、長崎ヴェルカが琉球ゴールデンキングスと対戦。序盤のビハインドが響き、69-71で惜敗した。
来シーズンからの「B.革新」スタートに伴い、Bリーグは大きくレギュレーションが変わる。これまでチャンピオンシップの頂上決戦であるファイナルは、中立地での中央開催方式で行われてきた。しかし、来シーズンからは出場クラブのホーム&アウェーで行われるようになるため、横浜アリーナを舞台にしたファイナルは、今後このアリーナをホームとするクラブが現れないかぎり、今回が最後の開催となるかもしれない。
今シーズンは初めて横浜ビー・コルセアーズがゲームを開催したが、普段から使われることのない巨大アリーナでの試合は、これまでもチャンピオンシップを勝ち上がってきたチームの前に“見えない壁”として立ちはだかってきた。独特の空気感や空間の広がりにアジャストできず、シュートタッチを狂わされるチームも少なくない。クラブ創設以来初のチャンピオンシップ(CS)出場であり、初のファイナルの舞台に臨んだ長崎は、試合の入りで苦労を強いられた。リーグ1位の攻撃力を誇るチームが第1クォーターをわずか9得点に抑え込まれ、9-20と2ケタのビハインドを背負う厳しい立ち上がりとなった。
長崎の中で、このアリーナの難しさと、頂点に立つ喜びを誰よりも知っているのが馬場雄大だ。馬場にとって横浜アリーナは、アルバルク東京時代の2018年、2019年と、Bリーグの歴史において唯一となるCS2連覇を達成した思い出深いアリーナである。特に2019年にはファイナルMVPにも輝いている。
実際に大舞台でプレーしたチームの状況について、馬場は試合後の記者会見で率直に振り返った。
「入場まで少し歩いていかないといけなかったり、両チームの映像を見て入っていったり、少し普段とは違う雰囲気だったので、それはゲームの出だし、数字にも表れているとおり影響したなと思っています。個人としては、少し想定内というか、若い選手も多いチームですし経験も浅い選手も多いので、こうなるだろうなと予想はしていて。だからこそ自分がしっかり先頭切ってプレーしないといけないと思っていたので。まだまだ納得はしてませんし満足はしてませんけど、明日もチームを引っ張るようなプレーができたらと思います」
チームメートのプレーに硬さが見られた点についても、馬場は決して下を向かない。「通常であれば、JB(ジャレル・ブラントリー)やスタンリー(スタンリー・ジョンソン)、その他のインポート・プレイヤーズたちは、素晴らしいプレーを見せてくれます。今回はたまたま彼らが自分たちのリズムを見つけられなかっただけです。私は彼らを強く信頼していますし、彼らのいかなる判断も常に信じています。何も心配していません」と言い切り、仲間への強い信頼を示した。
その一方で「もうちょっとチームをまとめて、途中途中ハドルを先頭切って組んだりだとかして、バラバラになりつつあるチームをもう少しリーダーシップ取って一つにまとめることで、もう少し結果が違うふうになっていたかなと思うので、メンタル面のところでもう少しできたかなっていうところはあります」と、自身のリーダーとしての振る舞いについて反省を口にした。
言葉だけでなく、馬場はその姿勢をプレーでも体現した。要所でシュートを決めるだけでなく、長崎が猛追を見せる第4クォーター残り1分を迎える終盤には、体を投げ出しながら前方を走るブラントリーへパスを出し、速攻でのダンクを見事に演出した。このプレーでスコアを65-68とし、チームに最後まで諦めない闘志を注入した。
この日の馬場は、36分49秒のプレータイムで、3ポイント3本を含む16得点をマーク。加えて、5アシスト3スティールと攻守にわたってチームをけん引続けた。
激闘の末に2点差で敗れ、後がなくなった長崎。しかし、馬場の表情に焦りはない。明日の第2戦に向けて、力強い言葉で逆襲を誓った。
「彼らは次勝ったら優勝というところで、自分たちはもう崖っぷちに立ったと思うんですけど、自分たちの方がいいチームだと思っているので、もう一度フィルムを見て確認して、また自分たちを(コートに)持ってこれるように明日戦っていきたいなと思います」
そして第2戦に向けて「2試合目なので、この雰囲気、環境もチーム全体も慣れていくと思うので、もう特別なことをする必要はなくて、本当に自分たちが今シーズンやっていたことを思い出すっていうことが必要かなと思っています」と締めくくった。
背水の陣となった第2戦で、馬場と長崎がどのようなバウンスバックを見せるのか。長崎が本来の力を取り戻せたとき、横アリの壁を打ち破ることができるだろう。
文=入江美紀雄
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