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長崎・馬場雄大が語った“大きな連勝”…変化の中で発揮する真価、クラブ初CSへ「歴史つくる」

茨城戦で喜びを爆発させる長崎の馬場[写真]=B.LEAGUE
フリーライター

■激闘を制し安堵の一言

「大きいですね」

 その第一声には、安堵感と失いかけていた自信を取り戻した手応えがにじんでいた。

 4月19日に行われたB1第33節のGame2、長崎ヴェルカはオーバータイムの末に勝利を収めた。立ち上がりからホームの茨城ロボッツに次々と3ポイントシュートを決められ、第4クォーターを前に13点ビハインドと劣勢を強いられた。

 しかし、熊谷航がバックコートからブザービーターを沈めて第3クォーターを終えると、第4クォーターは開始から8-0のランを記録。この10分間を31-18として延長戦に持ち込むと、最後は109-103で試合をひっくり返した。

 この激闘を制した後、取材に応じた馬場雄大は「大きいですね」と笑顔を浮かべ試合を総括した。

「試合をとおして、茨城さんが僕たちにアジャストしてきてすごく苦しい戦いでした。でも、途中で守り方を変えたりして(対応できたことは)、いい内容だったと思います」

■指揮官が語る“学び”と成長

[写真]=B.LEAGUE


 今シーズンの長崎は開幕から西地区首位を快走。4月12日には「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」進出を決めた。だが、直近の試合は苦戦を強いられ、三遠ネオフェニックスレバンガ北海道広島ドラゴンフライズに競り負けた。茨城戦で記録した2連勝は、第29節以来の出来事だった。

 就任2年目でクラブを初のチャンピオンシップへ導いたのはモーディ・マオールヘッドコーチ。指揮官は終盤戦でやや足踏みが続いた状況をこう振り返る。

「1つは遂行力が足りなかった。あとは、自分たちのメンタルの部分で新たなチャレンジを行なっている最中だということです。我々はプレーオフが決まってる状況で戦うことにまだ慣れていません。その中でも目の前のことにしっかりチャレンジすることが非常に大事です。ただ、この数試合で負けたことも勝ったこともすごくいい学びでしたので、この経験をこれからも大事にしていきたいと思っています」

[写真]=B.LEAGUE


 指揮官が説いた「学び」を、勝利という結果で体現してみせたのが選手たちだ。馬場もまた、最大17点ビハインドを跳ね返してつかんだ2連勝に大きな意味を見出している。

「この2試合で、チームとしてかなりいい状態になったと思います。例えば、前節の広島さんや他のチームに負けた時の状態のまま今日の試合を迎えていたら、負けていたと思うんですよ。でも今は、チーム全員で自分たちの良くなかったところを見つめ直して向き合おうとしています。それが結果に現れてすごくよかったなと思います」

■新戦力と共存する強み…変化の中で輝く馬場の価値

 茨城との第2戦では、イヒョンジュンスタンリー・ジョンソンがそろって26得点をマーク。馬場も3本の3ポイントで反撃の流れを引き寄せ、最終的には20得点5スティールの活躍で攻守をけん引した。

[写真]=B.LEAGUE


 今シーズンの強さを象徴するリーグ1位(平均91.4得点)の攻撃力は、イとジョンソンの存在が大きい。2大スコアラーの加入は長崎に新たな風を吹き込んだ。その変化にも柔軟に適応し、変わらぬパフォーマンスを披露し続けているのが馬場だ。得点、リバウンド、アシストといった現在の平均スタッツは、 昨シーズンとほぼ変わらない安定した数字を維持している。

「過去2シーズンは常にボールに絡んでゲームメイクをする役割を与えられていましたけど、今シーズンはまずその役割が減りました。彼らは得点だけじゃなくて味方にアシストもできるので、自分がよりディフェンスや強みに集中できるようになりました」

 同じウイングポジションを主戦場とする2人との関係性について、馬場に競争意識はない。むしろその存在が、自身の真骨頂でもあるコートを縦横無尽に駆ける躍動感を生み出すと感じている。

[写真]=B.LEAGUE


 馬場が長崎に活躍の場を移し、今シーズンで3年目。現在はゼネラルマネージャーを務める伊藤拓摩氏がクラブの礎を築き、参入5年目という異例のスピードでB1の頂を狙える場所まで辿り着いた。

「行けるところまで行きたいですし、また新たな歴史をつくりたい」

 馬場の言葉に迷いはない。地区優勝をかけたレギュラーシーズン残り5試合、そして長崎が初めて足を踏み入れる未知の舞台へ。栄冠への道は、これからが本番だ。

[写真]=B.LEAGUE


文=小沼克年

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