2018.08.19
1月5日(木)に放送されたオクラホマシティ・サンダー対ロサンゼルス・クリッパーズ戦に伊藤大司(レバンガ北海道)選手がゲスト出演しました。高校・大学をアメリカでプレーし、高校ではケビン・デュラント(ゴールデンステート・ウォリアーズ)とチームメイトだった伊藤選手に、今季のNBA、B.LEAGUEのことなどについて話してもらいました。
素材提供:WOWOW
――今日、NBAの解説をしてみてどうでしたか?
伊藤 久しぶりというのもあって緊張しましたが、試合内容が楽しかったのですぐに入り込めて楽しかったです。
――今日の試合はいかがでしたか?
伊藤 一番はサンダーが誇るビッグ3(ラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージ、カーメロ・アンソニー)が最後の4クォーターを締めたのはさすがだなと思いました。シーズン当初は噛み合っていませんでしたが、噛み合った時のサンダーの強さを見ることができました。クリッパーズは、ミロシュ・テオドシッチが後半に出られずもう少し見たかったので残念です。それでも、ブレイク・グリフィンとディアンドレ・ジョーダンのインサイドのラインナップは強烈なので、まだまだ進化していくとは思います。試合としては最後までバチバチやっていてとても面白かったです。
――今シーズン注目しているチームを教えてください。
伊藤 ケビン・デュラントとは高校時代からの仲なので、ゴールデンステート・ウォリアーズには勝ってほしいというのはあります。バランスも良いですしね。
ただ、今シーズンはオクラホマシティ・サンダーが気になっています。というのも、昨シーズンからウェストブルックの魅力にひかれているからです。KD(デュラントの愛称)がサンダーにいたこともあり好きだったのですが、KDが抜けてどうなるかと思ったらウェストブルックのハングリーさとエネルギッシュなプレーにひかれました。特にハートの部分です。カーメロとジョージをトレードで獲得したことで、どういうオフェンスになるか気になっていました。
いざシーズンが始まると当初は調子が悪かったですが、ウェストブルックが昨年と同じようなスタイルでやることによって、ジョージとカーメロの良さを引き出しています。
ウェストブルックもコーチ(ビリー・ドンバン)も最初は模索していた感じですが、今は噛み合っていますよね。それと、思いのほかディフェンスが良いんですよね。サンダーを一番注目する理由はウェストブルックの存在ですが、新戦力とのケミストリーというか新しいチームが出来上がっていく工程を見ているのが好きです。
――ご自身のプレイで参考にしている選手がいれば理由と合わせて教えてください。
伊藤 ウェストブルックのようなスピードのあるドライブとかダンクは無理ですが、毎試合120パーセント出し切っています。それと、見ていて周りのチームメイトが120パーセントでプレイしているウェストブルックからすごくエナジーをもらっている気がするんですね。ダンクやスティールというか、ウェストブルックは気持ちがガンガン出ていて周りに感染するような人間であると思うので、周囲も影響を受けてチームが良い流れになっていると思います。周囲の選手の気持ちを引き出せるのがウェストブルックだと思うので、そこは参考になります。ウェストブルックとは一緒にプレーして、どれだけ自分にもエネルギーがくるのか肌で感じてみたいです。
――B.LEAGUEについてお聞かせください。今シーズンここまで振り返ってみていかがですか?
伊藤 チームとしては良いスタートを切れて、昨シーズンまでと比べるとかなりいい形で前半戦を終われているというのはありますけど、まだ波が激しいです。良い時はすごく良いバスケができて点を取れているのですが、良くない時はオフェンスが悪いとディフェンスも悪くなります。逆も然りです。コンスタントに自分たちのバスケができていないところはあります。シュートが入らなかったりどんなに悪い状況でも、影響されずに自分たちのスタイルを貫くことが大事だと思います。
それでも、今季は第4クォーターで2ケタ得点差から逆転勝ちしている試合がいくつかあるので、諦めない部分が出ているのは今季のプラスの部分です。
――ご自身、またチームの目標を教えてください。
伊藤 チームの目標としては、チャンピオンシップ進出以上です。
レバンガがチャンピオンシップに進出するというのは世間的には驚くと思うので、そこでもいい戦いをしてさらに世間を騒がせるのが今の僕たちの目標です。
個人としては、今までチャンピオンシップに縁がなかったチームをどれだけ勝ちのメンタリティを植え付けて、どれだけチャンピオンシップ進出に相応しいチームを作れるかが自分の目標です。スタッツ的というよりも、ウェストブルックの話ではないですが、どれだけ周囲に影響を与えられるかを気にしています。アメリカのことや日本での優勝経験などを若い選手と共有していきたいです。若い選手は自宅に招待したりして、自分の経験をシェアしたりはしています。
――2シーズン目を迎えるB.LEAGUEですが、盛り上がりなど昨年と違うと感じることなどありますか?
伊藤 1シーズン目は注目度が一番高かったと思います。2シーズン目になって、露出は1年目と比べて少なくなってきているとは思いますが、B.LEAGUEを見てもらっている人の話は聞きます。B.LEAGUEがプロリーグの1つとして認知されているのはあると思います。個人的にですが、北海道の街を歩いていて声を掛けてもらうことも増えてきたので、2シーズン目になって人気は少しは上がっているのかなと感じます。北海道のブースターはとても熱く、見に来てくれたファンの人のために勝ちたいと思います。
――会場まで見に来てくれるファンの方に自分のどんなところ(プレー)をみてほしいですか?
伊藤 プレーや技術というよりも、コミュニケーションをすごく大事にしています。中でもボディタッチとかは意識してチームの輪を良くしたいと思っています。
技術でしたら折茂(武彦)選手の3ポイント、桜井(良太)選手のドライブ、グレゴリー・ウィッティントンのダンクとかあります。個人としては、このような選手たちをどのように活かすかというのを考えています。そのあたりを注目してほしいです。
――最後にファンへメッセージをお願いします。
伊藤 B.LEAGUE2シーズン目ということで、見に来てくれているお客さんも増えてきているので、選手としてさらに質の高いプレイを見せられればと思っています。もちろん毎試合全力でプレーして、見に来ていただいたお客さんにも満足してもらえるようプレーし続けます。スタッツに残らない細かい部分も見ていて面白いと思いますので、引き続き熱い声援をお願いいたします。
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