2020.07.13

なぜアルバルク東京のスポンサーをしているのか? クルマのサブスクを展開する『KINTO』の担当者に聞いてみた

KINTOの東京オフィスにお邪魔してマーケティング部主任の中来田祥平氏にお話しをうかがった [写真]=伊藤 大充
バスケットボールキング編集部

「クルマのサブスク」というコピーで知られるKINTOは、これまでの車の販売や、リース、レンタカーとは一線を画す車関連の企業だ。また、Bリーグ東地区の強豪、アルバルク東京のプラチナスポンサーにも名前を連ねている。

KINTOは2019年1月11日に設立された新しい企業で、”車のサブスクリプション”という形で、新車に乗ることができるというサービスを展開。全国展開をしており、ウェブからの申し込み・契約も可能だという。これまで車に乗るためにはディーラーや中古車販売のお店を訪ねて、そこで車種を選択。そこからナンバーの取得、保険の契約など、いろいろ面倒なことが多いのも実態だ。

そこでKINTOではサブスクというシステムを用い、手軽に車を手に入れることができるサービスを立ち上げた。特に若年層に興味を持ってもらうことで、新たな車との付き合い方を提案しているという。

誰も考えてなかったことへチャレンジする姿勢はBリーグとも共通する部分は多い。バスケットボールキングでは、西遊記に登場する自由自在に操作されていた筋斗雲(きんとうん)が社名の由来というKINTOに突撃取材を敢行。マーケティング部主任の中来田祥平氏にいろいろとお話をうかがった。

取材=入江美紀雄
写真=伊藤 大充
取材協力=株式会社KINTO

Bリーグのファン層が顧客ターゲットとシンクロ

アルバルク東京のホームゲームではゴールにKINTOのロゴが配置されている [写真]=B.LEAGUE


――KINTOとスポーツの関係について教えてください。
中来田
 スポーツには熱狂的なファンの方々がいらっしゃり、ある種のコミュニティがファンの間で形成されているとうかがいました。弊社は出来たばかりのサービスを提供しています。つまりはこれから多くの方に広めていかなければいけないのですが、まずその熱量のある皆さんに知っていただけるチャンスがあると考えて、アルバルク東京さんのサポートをしています。

――バスケットボールやBリーグにはどのような印象を持たれていましたか?
中来田
 すごく盛り上がっているなという印象はありました。元々自分がしていたということもありまして、バスケットボールはNBAなどを時々見ていたんです。そんな時に日本でプロバスケットボールリーグができるという話を聞いて、ニュースを見ているとすごく盛り上がっているなと感じました。発足してから4年目で、まだまだこれから伸びしろがありそうだと思い、クラブをサポートする企画を提案させていただきました。

――スポーツのチームのサポートであれば、プロ野球やJリーグも候補であったのではないかと思います。それなのにBリーグのクラブをサポートする理由は何ですか?
中来田
 アリーナに来られているファン層を分析すると、ファミリー層が多いという点に最も注目しています。弊社のサービスは車をライフステージの節目で乗り換えられるという特長があります。例えばお子さんが生まれたり、お子さんが独立されたりといった車を乗り換えるタイミングで、車を選ぶ際の候補にKINTOのサービスを入れていただきたいという思いがありました。スポンサーとなることで、そういった家族連れの方々に直接知っていただく機会を得られたのはメリットですよね。

――KINTOのテレビCMを拝見しましたが、若年層を意識されたキャスティングをされている印象を受けました。
中来田
 現在オンエアしているテレビCMは新たに2020年4月から始めたシリーズです。菅田将暉さん、二階堂ふみさん、矢本悠馬さんのお三方を起用しました。若年層の方々に人気の皆さんですので、ターゲットも同様に若い方々に設定しています。また女性も顧客ターゲットとして重要であると考えています。つまり、Bリーグに注目したのは、ファミリー層に加え、若年層、そして女性ファンが多いということもとても魅力的だったからです。

『ブレイク・ザ・ボーダー』は共通するテーマ

KINTOBリーグが標榜する『ブレイク・ザ・ボーダー』をはじめ、顧客ターゲットなど「共通する部分が多い」と中来田氏 [写真]=伊藤 大充


――アルバルク東京の印象についてはいかがですか?
中来田
 僕個人としてはBリーグのチームの中でも強豪で、NBAのロサンゼルス・レイカーズのような王者のイメージがありました。確かにサポートしているのはアルバルク東京ですが、Bリーグ全体もサポートしていきたいという考えもあります。そのきっかけが弊社との関わりのあるアルバルク東京さんでした。

――スポーツと車は昔から相性がいいのではないでしょうか。
中来田
 大都市圏と地方とは自家用車に対する考え方も異なりますし、所有率もおのずと違います。スポーツをするにしても、観戦するにしても何かしらの移動が伴いますが、その際の移動手段の一つとして車は相性が良いのではないでしょうか。地方に密着するスポーツですと、スタジアムやアリーナまで距離があるケースが多いですし、公共交通機関で行きづらいところには車が最適ですよね。

――そのほか、アルバルク東京との取り組みで象徴的なものがありますか。
中来田
 Bリーグは非常にSNSとの相性もいいと考えています。アルバルク東京さんから観戦チケットや選手のサイン入りユニフォームを提供していただいて、弊社のSNSアカウント経由でプレゼント企画を開催させていただいたことがありましたが、その時の反響が良く、フォロワーも増えました。SNSを橋渡しとして、車とスポーツをつないでBリーグとコラボレーションをすることができて良かったと言えます。

――今回、東京本社にお邪魔しましたが、これまでの車の会社というイメージが全くないオフィスに驚きました
中来田
 KINTOは自動車関連会社ですが、実際に車を販売しているわけではありません。ですから、車の会社ではできないことを外見だけでなく、事業の本質においても挑戦していきたいと思っております。

――Bリーグには『ブレイク・ザ・ボーダー』という行動指針があります。KINTOとの親和性も高いのではないでしょうか?
中来田
 メッセージ性には通ずるものがありますね。弊社も車業界とは異なる会社として、独自性を打ち出していきたいと思っています。

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