2021.05.26

セミファイナルで散った琉球のキャプテン田代…「悔しい終わり方でした」

激闘のシーズンを終えたキャプテンの田代[写真]=B.LEAGUE
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熱戦を終えたあと、田代キャプテンがメディア対応

 5月24日に「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21」のセミファイナル第3戦が行われ、琉球ゴールデンキングスは71-89で千葉ジェッツに敗戦。ホームの沖縄アリーナで悲願だった球団史上初のファイナル進出を逃した。

 試合後の記者会見に応じたキャプテンの田代直希は「自分たちの負けパターンが出てしまった試合だったので、悔しい終わり方でした」と第3戦を振り返った。

「第2戦は僕らが勝っているので、メンタル的には千葉の方が上回ってくるのは分かっていました。昨日と同じじゃダメだと、向こうよりもいいスタートを切らないと後々苦しくなると話しました。結果は互いにいいところを潰しあってスロースタートでした。そういう泥試合にどれだけ持っていけるかが、僕たちのやりたいバスケットだったので、前半はいい試合ができました。ハーフタイムには後半、さらにレベルを上げてやろうと話していました」と田代が話す通り、43-44とわずか1点のビハインドと接戦で前半を終えた琉球。

 しかし、後半は合計28点と琉球のオフェンスにブレーキがかかる。「第3戦という状況でみんなの気持ちが前に出ていて、僕たちの負けパターンであるボールが孤立して、1対1に頼ってしまう状況になりました。僕らの判断が悪かったです。相手の外国人選手はディフェンスに定評のある選手たちだったので、そこに僕らが1対1を仕掛けても、消耗するだけです。オフェンスとディフェンスは表裏一体で、いいオフェンスができていないといいディフェンスにはなかなかつながらなくて、自分たちのリズムが作れなかったのが要因かなと思います」

 さらに田代は「綺麗で鮮やかなプレーはチャンピオンシップになってくるとほとんどなくて、お互いに潰し合います。今日だとリバウンドに差が出ました。千葉は何度もファイナルに進出しているチームなので、リバウンドやルーズボールというところに勝敗が転がるポイントがあることを理解していました。僕たちはまだまだ理解しきれていなくて、そこの意識の差が大きかったと思います」と敗因を語った。

試合後、ホームのブースターに挨拶する田代[写真]=B.LEAGUE

 3シーズン連続でのセミファイナル敗退となったことについて聞かれると「毎年メンバーが大きく入れ替わって、ゼロからスタートするのが例年なんですけど、なるべく同じメンバーで来シーズンを迎えられたら、今回のプレーオフもいい経験になると思います。僕がコントロールできるところではないのですが、チームの核になる今村(佳太)選手や牧(隼利)選手がCSの舞台で経験を積めたのも大きかったで、それを来シーズンにつなげられたらまた結果も変わってくるかなと思います」と新たなシーズンへの思いを語った。

 さらに田代は「ハードワークするカルチャーは根付いていると思います。けれどハードワークばっかりで勝てる相手だけではないので、ハードワークをしながら、スマートさをもっと織り交ぜていくというのが必要なのかなと思います」と来シーズンへの課題を口にした。

沖縄アリーナについて熱い思いを語る

 昨シーズンは左足首のケガに苦しめられたが、今シーズンはCSも合わせて61試合に出場した田代は「体作りは意識しました。足首が前みたいには動かないので、今までのようにジャンプはできないし、走れなくなりました。その状態でハードワークを続けると、膝に水が何度も溜まって、何度も抜いてを繰り返してやってきました。そうなると体が壊れちゃうので、休みの日も怪我をしないためのトレーニングをしてきました。そのおかげで、片足で踏み切るのが今まで一番高く飛べる方法だったのですが、両足の方が高くジャンプできるようになりました。僕が続けてきたトレーニングの成果を感じています」と過酷なシーズンの裏側を語った。

観客動員に制限がある中、沖縄アリーナのブースターはたくさんの声援を送った[写真]=B.LEAGUE

 キャプテンとして初めてCSの舞台を戦った田代は「今までだったら活躍できるかできないか、プレータイムが貰えるのか貰えないかの選手だったのを、一歩ずつステップアップして、今年はコートに立ってプレーするというのは大前提となりました。その上でチームにいい貢献ができるかが今年の自分に課していた部分なので、去り方は毎年同じなんですけど、自分自身のプレーや周りの見え方は今までとは全く違うと思います」と自身の成長を実感しているようだ。

 最後に、今シーズン完成した琉球のホームコート、沖縄アリーナについて田代は熱い思いを語った。
「コロナが収束して満員のお客さんが入るとなると8000人です。今までのアリーナの規模より倍近くになり、足を運んでくれる人が多くなるので、その分僕たちがちゃんとプレーしないと『つまらなかったな』と帰る人数も多くなってしまいます。僕たちがどれだけ情熱を持って、激しくプレーして、一人でも多くの胸を打つことができるかが求められてくると思います。今日も試合後、手を振っているときに一番上の客席の人はかなり距離がありました。そういったところのチケットを買って見に来てくれている人のためにも、激しく気持ちを込めてバスケットをする必要があります。この責任は間違いなくあると思います」

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