2021.07.14
5月23日に「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21」のセミファイナル第2戦、琉球ゴールデンキングスは84−78で千葉ジェッツに勝利。試合後の会見で琉球の岸本隆一は「大きな勝利でした。大げさではなく、今シーズン一番の試合ができたと思います」と表情を崩した。
「見えない力に頼らないとこのような試合には勝てない。そのためにも会場の空気を一つにしようと思っていました」
コート上でもベンチでもチームメートを鼓舞し続けた闘将は、ホームアリーナに駆けつけたブースターとともに千葉から勝利をつかみ取ったのだ。
この日の岸本は両チーム最多の20得点をマーク。試合開始当初は千葉のビッグマンに向かっていった気迫あるドライブでチームに勢いを与え、終盤の追いかける場面では値千金の3ポイントシュートを決めるなど、負けられない一戦で殊勲の働きを見せたのだ。
その岸本の頭にあったのは“やり続けること”だった。それはマッチアップする富樫勇樹への激しい守りだけでなく、オフェンス面についても同様で、「自分で行くしかないと思っていました。シュートが外れてもずっと打ち続けなければいけない」と言い聞かせていた。
また、チームメートへの声がけも忘れていなかった。「富樫選手の調子が上がってきたとき、周りがそちらに気を取られて自分のマークマンへの守りが甘くならないように伝えていた」と振り返る。
「最初14−0になったときも本能的にこのまま行くことはないと思っていました。必要以上に調子に乗らず、反面必要以上に怖がることなく、富樫選手にやられる場面があったとしても、周りを巻き込まず責任を持ってプレーしよう」と、熱さとは裏腹に冷静な視点で試合を進めていたという。
勝負を決める一戦でもやり続けることは変わらない。「今日のように爽快な展開にならないと思いますが、最後まで泥臭く戦いたい。明日もやられる場面があると思いますが、それでもどれだけディフェンスを続けられるか、リバウンドを拾い続けるかだと思います」と力を込めた。
クォーターファイナルに続き、セミファイナルでも3戦目までもつれる展開だが、その中で岸本はチームの成長を感じている。「どれだけやり続けられるかが大きなポイントです。全員で共通認識を持って臨みたい」と、激戦の中で得た自信を発揮するときが迫っている。
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