2022.09.21

【B1クラブ展望/茨城】明確な方向性を打ち出した補強を敢行…今季は大きなチャレンジに

B1昇格初年度は16勝38敗という成績を残した茨城[写真]=B.LEAGUE

 昨シーズンの茨城ロボッツは16勝38敗で東地区10位、リーグ全体で18位。満足できる成績ではないだろうが、過去の例と比較するとB1昇格1シーズン目としては最低限のラインをクリアできた印象はある。開幕直後に黒星がかさんだことを考えれば、シーズンが進むにつれて徐々にB1のレベルに慣れていったことも確かだ。

 今シーズンを迎えるにあたり、補強の面ではB1で最もチームの方向性を明確に打ち出した感がある。得点面で大きなウェイトを占める外国籍選手は、既存のチェハーレス・タプスコットエリック・ジェイコブセンLJ・ピークを加え、さらに帰化選手のトーマス・ケネディも獲得。この4人のうち、ジェイコブセンを除く3人がアウトサイド寄りのプレースタイルという、B1では珍しい布陣だ。

 日本人選手に関しても、林翔太郎とジャワラ・ジョゼフ、山口颯斗鍵冨太雅というサイズとアウトサイドシュートを兼ね備えた選手を迎え入れ、スターターはポイントガード以外の4人が190センチ以上になる見込み。リチャード・グレスマンヘッドコーチはオフェンシブなチーム作りに定評があるだけに、この布陣でどのようなシステムを構築するかという点が興味深い。

 B1での2シーズン目は、より結果が問われる。B1の壁の高さを知った昨シーズンの経験を土台に、もう1段階のレベルアップを図りたいところだ。その意味でも、アウトサイドに重心を置いたこのメンバー構成でシーズンに臨むことは大きなチャレンジとなるだろう。

 展開の速いバスケットを徹底するために、どこまで遂行力を上げることができるかという点にフォーカスしたい。選手としてはチーム史上最長の在籍6シーズン目となる平尾充庸が、そのリーダーシップをいかに発揮するかという点にも要注目だ。

■KEY PLAYER/SF #5 LJ・ピーク

[写真]=B.LEAGUE


 昨シーズン熊本ヴォルターズでプレーしたピークは、1試合平均23.7得点を記録して得点王に輝いた。力強いドライブや成功率38.5パーセントという高確率の3ポイントシュートを武器に、30得点以上の試合はプレーオフも含めると17度を数え、52得点を叩き出した試合もあった。

 対戦相手にとって相当な脅威となる生粋のスコアラーだ。一昨シーズンには宇都宮ブレックスでプレーしており、常に勝利を追求するメンタリティーの持ち主であることもチームに良い影響を与えるに違いない。

 文=吉川哲彦

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