2022.09.23

【B1クラブ展望/千葉J】強固な土台を築いてきた“常勝軍団”、新指揮官のもと新たなフェーズへ突入

千葉Jは今季も富樫勇樹を中心にチームを構築する[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 今シーズンのB1は新指揮官で臨むチームが7チームあるが、その中で最も大きく様変わりするのはおそらく千葉ジェッツだろう。

 Bリーグの過去6シーズンで強固な土台を築いてきたスタッフが大量に退団し、ほぼ総入れ替えという状況。天皇杯3連覇を経て一昨シーズンにリーグ制覇にたどり着いた常勝軍団が、新たなフェーズに突入する。

 とはいえ、選手層に関してはさほど変わらず、富樫勇樹を軸としたチームのベースは全くと言っていいほど崩れていない。スターターも昨シーズンと同じ顔ぶれになる可能性が高いが、大きな影響があるとすれば、4シーズンにわたってチームを支え続けたジョシュ・ダンカンが移籍したこと。

 だが、新外国籍選手のヴィック・ローはNBAサマーリーグに何度も参戦し、昨シーズンはオーストラリアNBLでベスト5に選ばれた実績の持ち主。ダンカンの穴を埋めて余りある働きも期待して良いだろう。大倉颯太ラシードファラーズ、二上燿といった若手の台頭も見込め、シーズンが進むにつれてチームの地力が増していく素地は十分にある。

 何より、最も大きな期待がかかるのはジョン・パトリックヘッドコーチだ。現役時代に日本でプレーしたパトリックHCは、指揮官としてもトヨタ自動車(現・アルバルク東京)をリーグ制覇に導き、その後ドイツブンデスリーガでは最優秀コーチの常連にもなるなど、実績は申し分なし。

 日本での指揮は17シーズンぶりとなるが、日本人選手の特性をよく理解していることは心強く、昨シーズン以前と遜色ないチームを作り上げていきそうだ。大きな変化のシーズンではあるが、その分刺激も増え、千葉Jはこれまでと異なる新しいチームの形を披露することになる。

■KEY PLAYER/PG・SG #13 大倉颯太

[写真]=B.LEAGUE


 藤永佳昭の移籍を受け、西村文男とともに富樫のバックアップを務めることになるのが大倉。大ケガから復帰した昨シーズンもチャンピオンシップでスターターを務めるなどチームからの信頼はすでに得ているが、今シーズンは司令塔としての重責も担うことになる。

 チームから求められる役割を自覚し、自身の立ち位置を明確にすることができれば、個人としてもチームとしても大きなステップアップにつながる。まずはそのポテンシャルを発揮し、存在感を光らせていきたいところだ。

 文=吉川哲彦

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