2022.09.29
『Next FAZE』。アルバルク東京にBリーグ2連覇、アジア王者をもたらしたルカ・パヴィチェヴィッチが去り、クラブは次なる段階へ踏みだした。新たに招へいしたのは、リトアニア出身のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチ。立て直しを託されたアドマイティスHCは、A東京に新たなスタイルを浸透させるようだ。
「ディフェンス面では1つや2つではなく、バリエーションあるディフェンスを仕掛けていきたい。オフェンス面では非常に速い展開を意識すると同時に、我々のアドバンテージを最大限に生かして勝利していきたい。対戦相手によって戦術を使い分け、皆さんにも楽しんでもらえるようなバスケットを目指します」
昨シーズン、A東京は「王座奪還」を目指し大型補強に出た。しかし、アレックス・カーク、ライアン・ロシターらの相次ぐケガにより終盤戦でブレーキがかかり、チャンピオンシップ初戦で敗退を喫した。
そのなかでも、一番の収穫だったと言えるのは吉井裕鷹の急成長だ。2020-21シーズンは1試合も出場できなかった吉井だが、インサイド陣のケガによって巡ってきたチャンスを見事にものにし、196センチの長身とフィジカルを生かして外国籍選手相手にも奮闘。最終戦では17得点を挙げてキャリアハイを更新し、日本代表まで上り詰めた。
小酒部泰暉と吉井に加え、昨シーズンは20試合に出場した平岩玄も着実に成長と遂げている。そうなると、今シーズンでの飛躍に期待かかかるのは笹倉怜寿か。今オフはジャスティン・コブス、藤永佳昭の両ポイントガードを新たに迎えた。開幕当初はこの2選手がメインの司令塔を務めるかもしれないが、笹倉には割って入る活躍を見せてほしい。
菊地祥平の移籍により、縁の下でチームを支えるベテランの不在がどう左右するかも見ものだ。最もA東京を知るのは田中大貴。キャプテンとエースの重責も担う田中だが、ここでもう一皮むけた姿を見せ、再び頂点へと導けるか。
代表活動の影響で吉井、セバスチャン・サイズはチームへの合流、調整が遅れている。開幕から好スタートを切れるかどうかは、ロシターの躍動とリーダシップが必要不可欠だ。
文=小沼克年
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