2022.09.22

【B1クラブ展望/群馬】新指揮官と即戦力を迎え、上位進出へ視界良好

群馬は昨季B1初年度ながら25勝を挙げた[写真]=B.LEAGUE
フリーライター

 期待の新戦力・並里成が開幕前に負傷し、暗雲が立ち込めた群馬クレインサンダーズ。それでも、計5試合戦ったプレシーズンマッチで4勝1敗。千葉ジェッツ琉球ゴールデンキングスからも勝利を収め、「結果だけではないにせよ、このプレシーズンは価値のある戦いができました」と、新指揮官の水野宏太ヘッドコーチも確かな手応えをつかんで新たなシーズンを迎える。

 B1初挑戦となった昨シーズンは、25勝30敗で東地区7位。開幕節ではアウェーで宇都宮ブレックスからいきなり2勝を奪い、第17節では川崎ブレイブサンダーズも敵地で連破した。ケガ人の影響で足踏みする時期もあったが、B1昇格初年度の最多勝利数を更新。一定の結果を残したと言えるだろう。

 今オフは4名の選手が移籍したものの、マイケル・パーカートレイ・ジョーンズ五十嵐圭ら主力メンバーは健在。“ファンタジスタ”並里に加え、イタリア・セリエAで29回の優勝を誇る名門オリンピア・ミラノから加入したケーレブ・ターズースキーにも即戦力として大いに期待したい。213センチ111キロのビッグマンが、Bリーグにどんなインパクトを与えるか非常に楽しみだ。

 そしてもう1つの注目は、2018シーズン以来の指揮官に就任した水野HCだろう。「今シーズンの群馬クレインサンダーズは(新たな)文化を作ろうとしている」と意欲を示し、「昨シーズンから能力が高い選手がいるチームと感じていた」と語り、こう続ける。

「個々の能力をどのようにして引き出していくのかを、しっかり自分たちが作っていけるようにしたい。攻撃力はあるので、そこをより効率よく発揮できるシステム作りもしていきたいですし、失点に関しても攻撃回数が多い分、単純にディフェンスの回数が増えるのですが、その中でも堅いディフェンスができるようにしたいと思っています」

 B2時代から築き上げてきたスタイルをブラッシュアップし、群馬は初のチャンピオンシップ出場、その先の高みを目指す。

■KEY PLAYER/SF・PF #11 野本建吾

[写真]=B.LEAGUE


 30歳を迎えた201センチのビッグマンは、昨シーズンは男子日本代表合宿にも度々招集され「FIBAワールドカップ2023 アジア地区予選」のコートにも立った。ただ、Bリーグではキャリアハイの得点が「14」、リバウンドが「9」とまだまだ飛躍しきれていない印象を受ける。

 今シーズンはキャプテンにも就任したことで、プレーヤーとして新たな一面も見れそうだ。持ち前の機動力と体を張ったプレー、そしてリーダーシップで群馬をけん引する選手になれるか。

 文=小沼克年

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