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「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が12月23日に開幕。今年から出場チームが男女10チームずつ増え、各60チームよるトーナメントとなったが、それに伴いエスフォルタアリーナ八王子(東京都八王子)が試合会場に追加された。
そのエスフォルタアリーナ八王子の初戦、Fコートに登場したのが済美高校(愛媛県)と草津東高校(滋賀県)。草津東は全国大会の常連、滋賀短大附属高校に県予選決勝で勝利して、初めてウインターカップにコマを進めたチームだ(インターハイには2度出場経験あり)。
出だし、互いに硬さからなかなかシュートが入らない展開の中、済美はディフェンスからリズムをつかんでいく。足が動くようになると相手のボールマンにプッシャーをかけてミスを誘発させ、そこからの速攻で得点を重ねていく。さらに運動能力の高い松本みずきが積極的に1対1を仕掛け、このクォーターだけで11得点を挙げる活躍を見せた。
草津東も済美のディフェンスになんとか対応していく。さらにポイントガードの楠田美琴がゴール下に待つ堤萌衣や奥村綾乃にパスを供給。第1クォーターは14-17と済美に食らいついた。しかし、第2クォーターに入りさらにディフェンスのプレッシャーを上げた済美に対して、草津東はミスを連発。済美はそこを逃さず徐々にリードを広げていった。
草津東は3-2のゾーンディフェンスを敷くなどして、何とか試合の流れを取り戻そうとトライする。しかし、済美は終始ディフェンスからアップテンポのオフェンスを仕掛けていき、57-41で勝利。草津東は初陣を飾ることができなかった。
試合後、草津東の廣沢洋平コーチは「頑張ろうという気持ちはありましたが、緊張していました。(ウインターカップは)コートの雰囲気も違いますね」とウインターカップ初戦の感想を語った。さらに済美の飛び込みリバウンドや能力の高い1対1に対して、「やっぱり県内でやっているバスケとは違います。うまく守られてシュートも入りませんでした」と分析。「本当はインターハイ予選も勝つつもりでいましたが、(勝てなかった)悔しさを持ってウインターカップの予選を勝ち上がりました。下級生の成長もあったと思います。この経験を来年以降に生かしたい」と前を向いた。
キャプテンで司令塔の楠田は「試合前に、『アッという間に終わってしまうよ』と言われていたのですが、本当に時間が早く進んだ感じがしました。自分たちのプレーができず、相手のディフェンスに対して引いてしまったと思います」と試合の感想を語った。
そして、「最初は緊張しましたが、次第に慣れていって。セット(オフェンス)にしないで、すぐにスタートするようにしたことで、自分たちもやれたところはあったと思います」と手ごたえを感じたことも明かしてくれた。最後に「2年生がまとまって引っ張ってくれた面もありました。この経験を生かしてもっと上を目指してほしい。できる力はあると思います」と下級生に感謝するとともにエールを贈った。
取材・文=入江美紀雄