2023.08.13
第1クォーターを終えた時点で31-15。
「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の初戦で、岡山商科大学附属高校(岡山県)は佐賀県代表の佐賀東高校相手にスタートダッシュを切った。
その原動力なったのはエースの脇真大(3年)。U18の日本代表メンバーに名を連ねる脇は、「海外のいろんな選手ともやってきたので、日本人には負けないです」と、フィジカルを活かしたダイナミックなドライブから得点を量産するスコアラー。相手を鮮やかにかわすのではなく、自ら当たりにいって3点プレーで仕留める“テクニック”も見事だ。
試合開始早々、そのドライブからバスケットカウントを奪った脇は、そこから立て続けに得点を重ね第1クォーターだけで18得点をマーク。チームで最も高い191センチということもあり、リバウンドにも絡んで10リバウンドを記録し、最初の10分間で早くも“ダブルダブル”を達成した。
「去年は全然自分のプレーができなくて悔しい思いをしたので、今年はスタートからしっかりとエンジンをかけていきました」。チームのエースはその後も順調に得点を伸ばし、約30分間の出場ながら46得点16リバウンドを挙げる活躍を見せた。
120-77で相手をねじ伏せた岡山商科大は、これで今夏のインターハイに続き全国大会2勝目。ウインターカップでは記念すべき初勝利を飾った。指揮を執る納谷幸二コーチも、この日の脇のパフォーマンスには「期待どおりの働きをしてくれた」と合格点を与えた。
今大会はスモールフォワードとしてポジション登録している脇だが、岡山商科大でのポジションは「決まっていない」と本人と納谷コーチは口をそろえる。つまりはどのポジションもこなせるオールラウンダーとしてプレーしており、「その方がやりやすい」と脇は言う。
現在は191センチと身長にも恵まれているが、「元々はガードをやっていた」と、入学当初の身長は180センチに満たないほどだった。
「彼は高校入った当初は、今より10センチくらい背が小さかったんですよ。背が伸びてからは、ポジションに捉われることなく全部やらせているので、中も外もできるオールラウンドな選手になってほしいです」(納谷コーチ)
脇自身は「50点、55点くらい取れるのが一流のプレーヤーだと思っています」と決して現状には満足しておらず、「やっぱりもっと外で点が取れないと相手に抑えられてしまうので、これからしっかりやっていきたいと思います」と今後の課題は「3ポイント」と明確。佐賀東戦でも3ポイントは2本しか打たず、2本とも得点に結びつかなかった。
「憧れの選手が田中大貴(アルバルク東京)さんなので、田中大貴さんみたいにしっかりシュートも打ててパスも出せて、アタックもできる選手になりたいです」
2回戦へコマを進めた岡山商科大は、25日に日本航空高校(山梨県)と対戦する。「次の相手はもっと強くなるので、一戦必勝でしっかり戦って自分たちの目標であるベスト8を達成したいと思います」
「今は191くらいですけど、もう192になっているかも(笑)」と、現在も身長とともに成長を続ける脇真大に、ぜひ注目してほしい。
文=小沼克年
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