2020.12.02

【ウインターカップ2020注目校】東海大学付属福岡(福岡)「ツープラトンで挑む冬。『平面バスケット+高さ』で上位進出をにらむ」

福岡県を制してウインターカップへと乗り込む東海大学付属福岡[写真]=バスケットボールキング
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 12月23日から29日の期間、都内で開催される「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度はインターハイ、国体も中止となったため、ウインターカップが最初で最後の全国大会となる。バスケットボールキングでは冬の日本一を決定する大会での注目チームをピックアップし、紹介する。

■ウインターカップ女子注目校(6)東海大学付属福岡高校(福岡県)

 2年連続2回目の出場となる東海大学付属福岡高校(福岡)。ウインターカップの福岡県予選では優勝を収め、その勢いを持って本大会に挑む。

 初出場となった昨年大会、エントリーされた選手の中で一番大きかったのは173センチと、東海大福岡は、どちらかと言えば全国レベルでは“小さいチーム”。だが、その小さいことをプラスに変え、機動力で相手を翻弄するスタイルが持ち味で、鋭いドライブや外角シュート、ディフェンスでも足を使ってプレッシャーをかけるなど、豊富な運動量から勝機を見出していった。しかし今年、そこに留学生のファール アミナタが入学したことで198センチという圧倒的な高さが加わった。

 とはいえ、アミナタはまだ1年生。東海大福岡自慢の速いバスケットに順応できるかがポイントとなったのだが、福岡県決勝ではアミナタが入っている時間帯はゾーンディフェンスに、アミナタのいない時間帯は前からプレスで当たるマンツーマンディフェンスで勝負し、これがピタリとはまる。オフェンスでもアミナタの高さを生かした場面もあれば、アウトサイド陣が小気味よく3ポイントシュートを決める場面もありと、相手を揺さぶった。

 指揮を執る宮崎優介ヘッドコーチも「ツープラトンのような形でバスケットを作ってきたので、アミナタ以外のメンバーはディフェンスの対応も大変だったとは思います。でも、試合の中でうまく機能したことが、失点が少なかったことにつながっていると思います」と語った。

 アミナタは、新型コロナウイルス感染症が拡大する前に来日。しかし、ほどなくして自粛期間などもあり練習すらできない日々が続いた。寮生活の選手たちが帰省する中、アミナタは、学校の日本語カリキュラムにじっくりと取り組んだ。「その時間がプラスに働いたのかもしれません」と宮崎コーチが言うように、11月の試合では積極的にチームメイトとコミュニケーションを取る姿が見られた。

 東海大福岡は、ウインターカップ県予選の決勝リーグでタイムアウトを一度も取っていない。「選手たちを信頼し、選手たちで乗り切ってもらおうと思って準備してきました」と宮崎コーチ。信頼があるからこその采配だといえるが、その中心となるのが3年生の木寺智美や緒方偲乃ら。木寺は今年の取り組みに「アミナタが来てからコミュニケーションが大事だということを感じたので、ゲームキャプテンとしてコートの中で話をしたり、タイムアウトでも先生の指示の後に自分たちで声を掛け合ったりしてやってきました」と胸を張った。

福岡県予選ではマンツーマンとゾーンディフェンスとを使い分け、勝利を引き寄せた[写真]=バスケットボールキング

「昨年大会で(同じ福岡県の)精華女子さんがベスト8まで勝ち上がっているので、私たちもウインターカップではそれ以上の結果を残せるように準備していきたいと思います」(宮崎コーチ)と、チームの目標は『ベスト8以上』。

 第4シードの東海大福岡は、2回戦から登場。初戦の相手は湯沢湘北高校(秋田)と岐阜女子高校(岐阜)の勝者となる。どちらが勝ち上がっても全国常連校との対戦だけに、初戦から厳しい試合が予想される。鍛え上げられた“脚”を生かしながら、高さを融合させた新たなスタイルで、いきなり迎える大一番をどう乗り越えるか⁉ その戦いぶりに注目だ。

写真・文=田島早苗

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