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東京にて12月23日から29日の期間で開催される「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度はインターハイ、国体も中止となったため、ウインターカップが最初で最後の全国大会となるが、ここで注目を集める選手を紹介する。
■ウインターカップ女子注目選手(5)荻田美(3年/京都精華学園高校/京都府)
京都精華学園高校の荻田美の名前が一挙に全国区となったのは、昨年の8月、2012年以来、日本での開催された「バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ(以下BWB)・アジア」だ。国際バスケットボール連盟(FIBA)とNBAが共催するこのキャンプにはアジア太平洋地域の18の国と地域から男女64名のトップ選手が集結。NBAコーチや選手、WNBA選手などから指導を受けた。
日本からは荻田を含めて男女8名が参加。荻田は最終日に行われた3ポイントコンテストに優勝し、さらにウインターカップの決勝を戦った両チームのキャプテン、桜花学園高校の平下愛佳(現トヨタ自動車アンテロープス)と岐阜女子高校の林真帆(現東京医療保健大学)とともに選抜選手としてオールスターゲームにも選出される。アジアでもその実力が認められたのだ。
荻田曰く「マッチアップのディフェンスを見て自分の攻め方を決めます。自分よりも小さければポストアップを狙いますし、大きければ(ドライブなどの)スピードで勝負します」と、根っからのオールラウンダーだ。ミニバス、中学時代にはセンターでプレーしていた荻田は高校に入り3番ポジションにコンバートされた。そして3番でのプレーを身に付けたことにより、インサイドとアウトサイドで思いとおりのプレーを見せるようになり、こうしてオールラウンダー荻田が誕生したとも言える。
ウインターカップ京都府予選の決勝では紫野高校の足を使ったバスケに京都精華学園は苦戦した。「反省ばかりの内容です。(相手の勢いを)受けてしまいました。自分としてもインサイドをうまく使えなかったし、自分からもっと攻めてもよかったと思いました」と、試合後、冷静に試合を振り返った。このようにゲームを俯瞰で見られるのも荻田の魅力の一つと言えよう。
3年生になった今年、荻田は新チームのキャプテンを任される。そして立てた目標は「先輩たちが残した成績を超えること」。昨年のウインターカップで京都精華学園はチーム史上初となる全国大会ベスト4進出を果たした。それゆえ自分たちで立てた目標は「日本一」。その目標を達成するのはインターハイが中止されたことにより、ウインターカップが唯一のチャンスとなった。「岐阜女子、桜花学園を破って、先輩たちの記録を抜きたい」との誓いが果たされるのかは、荻田の活躍にかかっている。
文=入江美紀雄