2021.08.04

インターハイ女子注目校(3)京都精華学園(京都)「高さのある布陣、総合力で初の日本一へ

京都精華学園は近畿大会覇者としてインターハイに乗り込む[写真]=吉田孝光
フリーライター

 先月末の男子に続いて8月10日から15日にかけて行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。女子は新潟県新潟市での開催となる。2年ぶりに夏の女王の座をつかむのはどこか⁉ バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム(3)京都精華学園(京都府)

 6月に行われた「令和3年度 第68回近畿高等学校バスケットボール大会」を制し、一躍、今夏の「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」で優勝争いに躍り出た京都精華学園高校(京都府)。

 近畿大会では、1回戦から危なげない戦いで、準決勝では大阪桐蔭高校(大阪府)を84-58と撃破。続いて大阪薫英女学院高校(大阪府)との決勝では、第1クォーターこそ相手の勢いに押されて12点のビハインドを負ったものの、第2クォーター以降は持ち味を発揮する。後半出だしにインサイドで連続得点を挙げて大阪薫英を捉えると、第4クォーターでは最後までもつれる展開の中、八木悠香(1年)の思い切りの良いドライブなどが光り、85-79で競り勝った。

 57年ぶりに近畿大会優勝となった京都精華の強みはインサイド。イゾジェ ウチェ(2年)は188センチの高さと強さ、そして上手さも兼ね備えており、近畿大会決勝でも41得点をマーク。また、ウチェのバックアップとして、同じ188センチのディマロ ジェシカ(1年)が控えているのも大きい。

 加えて、留学生だけでなく八木悠香(1年)や瀬川心暖、奥村文音(いずれも3年)といった得点力の高い選手がそろっており、スターターではガードで166センチの堀内桜花(1年)以外、全員が170センチ以上とチーム全体としての高さもある。

「キャプテン(瀬川)が近畿大会の中で大きな成長をしたと思います。1、2年生を精神的な面だけでなく、プレーでも引っ張ってくれました。ディフェンス、リバウンド、シュート、ルーズボールもよく頑張っていました」と、指揮を執る山本綱義コーチが言うように、近畿大会は、結果のみならず、個々の成長も感じることのできる大会となった。

3年生の瀬川がコート内外でチームをけん引する京都精華学園[写真]=吉田孝光

 インターハイに向けて「まずはディフェンス力。それと速攻やアーリーオフェンス。(近畿大会では)最初からセットオフェンスになってしまっていたことが多く、相手に楽にディフェンスさせてしまったと思います。アーリーからもう少し得点が取れるようにしていきたいです」と山本コーチは課題を語る。

 八木、堀内、ジェシカら1年生は今年1月に行われた「Jr.ウインターカップ2020-2021」で準優勝という成績を残しており、キャリアもある。中高一貫の強化で年々力を付けている京都精華学園。頂点の座に登り詰めるだけの実力は十分にあるだけに、夏の戦いぶりから目が離せない。

写真=吉田孝光
取材・文=田島早苗

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