2021.08.02

インターハイ女子注目校(1)昭和学院(千葉)「全国制覇には“克己心”が必要不可欠」

3年生を中心にインターハイ優勝を狙う昭和学院[写真]=小沼克年
フリーライター

 先月末の男子に続いて8月10日から15日にかけて行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。女子は新潟県新潟市での開催となる。2年ぶりに夏の女王の座をつかむのはどこか⁉ バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム(1)昭和学院(千葉県)

 昭和学院高校(千葉県)にとって、今年は“勝負の年”と言えるかもしれない。

 それは、中学時代にジュニアオールスターの千葉県代表として日本一を経験した3年生たちが最終学年になったからという理由もある。だが、最大の理由は指揮を執る鈴木親光コーチが就任30年目という1つの節目を迎えた年だからだ。

 1年生のときから主力を担い、アンダーカテゴリーの日本代表にも選出された田嶋優希奈花島百香を軸に、2人と同じく下級生の頃から経験を積んできた西ファトゥマ七南、田平真弥(いずれも3年)が今年の中心メンバーと言える。チーム全体では粘り強いディフェンスと機動力を武器にしつつも、3ポイントシュートを得意とする石橋花穂、インサイドには183センチのセンター・アチャラ オゲチ クランシー(ともに3年)もおり、どこからでも得点を奪えることが強みだ。

 千葉県を代表する全国常連校は、インターハイの県予選準決勝と決勝で20点差以上をつけて2年ぶりとなる夏の全国大会へコマを進めた。しかし、6月の関東大会を終えた時点でのチーム状態は決して良くなく、大会期間中、鈴木コーチはこう話していた。

「集中力がなくてプレーが雑というか、すぐ自分たちで気を抜いてしまいます。3年生のメンタル面がまだ下級生のままで、他のチームの選手たちと比べると甘いところが多いです。今までも試合に出てきた選手たちなので、逆に『私がやらなくても誰かがやってくれるだろう』という気持ちでプレーしています」

 これまでの経験値とどこからでも得点が取れることが仇となり、自分たちからリズムを崩してしまう選手たちの出来に鈴木コーチは危機感を抱いていた。一人ひとりの技術は十分にある。ただ、昭和学院が一発勝負のトーナメントを勝ち上がるには、技術よりもメンタル面の克服、そして強化が必要不可欠といえるだろう。

 現在の3年生が入学後して以来、最高成績は全国ベスト8と思うような結果が残せていない。チームが一つになり、就任30年目の指揮官に最高のプレゼントができるか。

 昭和学院の全国制覇への挑戦が、もうすぐ始まる。

シュート力が持ち味の昭和学院・石橋[写真]=小沼克年

取材・文・写真=小沼克年

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